男装令嬢は冒険者として生きたい

@tottabi

第1話

気がつくと見知らぬ天上に意味のわからない話し声が聞こえた。声を上げようにも泣き声しか聞こえない。そんな私の視界に見知らぬ女性が映りこんだ。


その女性は名前と思わしき言葉を発しながらこっちを見ている。私はその瞳の中に映っている赤ちゃんを見て確信した


私...転生しちゃった?


最初はびっくりもしたが数分もすれば私は冷静にこれからの事を考えられるようになっていた


これからどうしよう、転生したって事は私、死んじゃったのよね 。


あの大会は誰が優勝したのかな....私も出たかった...でも転生しちゃったんだからいつまでも過去を引きずってちゃダメだ!せっかく新しく生まれ変わったんですもの人生楽しまなきゃ損よね!


私がこんなに冷静でいられるのにはとある理由があった。それは私が異世界転生作品が大好きでよく読んでいたからだ。


私は前世で本を読むのと同じ...いや、それ以上に大好きな事があった。それが武道だ。私は自分を鍛え技術を磨くことが好きで空手や柔道、剣道などをやっていた。


よし!異世界転生と言えば冒険者でしょ 絶対冒険者になってドラゴンや見たことない魔物を狩りに行ってやる!


私はこの日、ユリア・アーデルハイヴとして生を受け、冒険者になるのを決意したのだった。


まずは魔法の練習だ!スタートが関心だ。

魔力量を増やすにはまず魔力が体内を循環して魔力を貯めなければならない。

魔力を貯めるとはどういう事だろうか....

うーん!とりあー!


『あうあう、うわいやぁ!』


「あらぁユリアはお喋りさんねぇ将来はお喋りで可愛らしい令嬢になるのかしら?」


「ユリアは僕の妹です!可愛い子に育つのは当たり前です!」


「ユリアはどんな子になるんだろうなぁ」



5年後....

ハロー!元日本人のユリア・アーデルハイヴだお!....


はぁ...まさか貴族女性が剣を持つのは普通じゃないと思われている世界だなんて....私は深い溜息をつく


私はこの日凄く落ち込んでいた。なぜなら親に剣術を習いたいと言ったところ、「女性が剣術だなんて!」と怒られてしまったからである。


なぜダメなのだ?私が女だから行けないのか?ならば男になればいいのか!

そう思った私はすぐさまクローゼットからハサミを取り出し、長くて綺麗な白みがかったシルバーの髪をバッサリ切った。


お母様!私が女の子だから剣術はダメって言ってたわよね

私今日から男の子になるからお兄様と一緒に剣術を習ってもいいかしら?!


お母様は私のバッサリと切った髪を見るとショックで気を失ってしまった。その夜、家族会議が行われた。


「どうしてそんなにユリアは剣術を習いたいんだい?」

だってねお父様 、私 将来は冒険者になりたいの!

私の話を聞いてまた倒れそうになるお母様、びっくりして「え..?!」っと声を漏らすお兄様。それだけ女性が剣を握るのは珍しい事なのだろう


私、将来は世界を見て回ってその先でドラゴンを倒したいの!

「ユリアは騎士ではなく、冒険者がいいのかい?」

ええ、だって騎士は1つ国から出られないじゃない!私は世界を見て回りたいの


「でもねユリア、女性が冒険者になる事はとても難しいと思うよ」


ええ、わかってるわ

だから私、今日から男の子になるの!


その後しばらく話し合いは続いたがついにお父様が折れ、完璧な淑女になるための教育も同時進行でやるという制限付きで私は男装をして冒険者になると事と剣術を習う事を許して貰えたのである。


お父様は淑女教育と剣術の両方を両立させるのは無理だと思っているんだわ。でもやってやろうじゃない!そこから私の1人2役のような生活が始まった。


表向きはお淑やかな令嬢として、そして裏では冒険者になる為にがむしゃらに頑張った

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