お化け屋敷
「やだぁ、雰囲気凄い……!たっくん、私怖いよー」
「……よし。怖がるな怖がるな。大丈夫だって、こんなの全部作り物なんだから」
「暗くてよく見えないしー」
「お化け屋敷ってそういうもんだろ。早く進もうぜ」
「あの人形とか今にも動き出しそうじゃない?」
「動かなくちゃ始まらないって」
「もー、嫌なこと言わないでー」
「うわぁ! びっくりした!」
「えぇー!? 何? もう、驚かさないでよー……!」
「あーびっくりした。あのお化け役の人、かなり雰囲気出てないか? もしかして本物だったりして……」
「ちょっとやめてよー、私こういうの苦手なんだってー」
「いや、そんなことないだろ。そうは見えない」
「何それどういう意味? ちょー失礼なんですけどー」
「あはははは、だよな。大丈夫、大丈夫。さぁ早く先に進もう」
「待ってよー、置いていかないでー」
「さっきのお客さん、ずっと1人でブツブツ言ってたな……。もしかして何か見えてるのか……? まさか本物が……?」
「よし! すごく怖かったけど、ずっと独り言を言い続けることで恐怖を誤魔化しきったぜ!」
「え? たっくん……? 私が見えてないの? 私の声が聞こえてないの? …………。そうか……。私はもう…………」
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