人間の女の子は吸血鬼に噛まれてしまったSS
嬢
朝ごはん
「おはよう、お嬢さん。いつものをお願いしてもいいかな?ああ、二人分で。」
「あら、彼女さんでもできたのかしら?いいわねえ。」
「そんなところだ。」
馴染みのパン屋の店主に声を掛ける。人間から見れば老いている方だが、俺から見ればお嬢さんだ。
ジャムパンとチョコレートマフィン。璃杏が甘党か分からないがとりあえずお気に入りセットで買っておこうと並びに来た。
「はい、有栖くんどうぞ。気を付けて帰るんだよ。」
「いつもありがとう。」
店主は気を聞かせて、毎朝並ぶ俺を見つけては列から外し、用意しておいたセットを渡してくれる。ぴったり1000円渡し、家に帰った。
「ただいま。」
璃杏はまだ寝ていた。明朝は無理をさせてしまっただろうか。
ぬいぐるみのストラップにバイクのキーと家の鍵がくっついていたので、前に抱えてバイクを飛ばし、勝手に家に帰ってきた。璃杏を一度横にしてからコンビニに走り、メイク落としを購入。カラーコンタクトを外して丁寧に顔を拭いた後、レンジでチンしたタオルで再度拭く。それらしき化粧水と乳液と美容液を塗ればばっちりだ。友人がやっていた通りに済ませ、L字型のソファに寝転がる。
「3時間ほど寝るか…。」
パンと冷蔵庫にサラダとヨーグルトがあったはずだ。自殺前の人間とは思えないほど冷蔵庫には食材が詰まっていた。食いしん坊なのか?
そんなところも全て愛してあげよう。決めた心は一生揺らぐことはない。
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