私のサンドイッチ
riasu
思うこと
出会いはいつだったか、今はもう覚えておりません。
あの頃も今と同じように、忘れたくないと思っていたのでしょうか。
次第に忘れていくというのは、こわいものです。その頃には新しい、楽しい思い出ができているだろうに、こわいんであります。
なので私は、昼前まで眠ってしまった日のリビングで、日差しの、手製の光模様で、頬が濡れて、かゆくなるのをどうしようもないまま、ぼうっとするんです。
ときが過ぎるにつれ、想像のあなたと記憶のあなたの境界線が消えてゆきます。
灰色のビル群と曇天の下で、あなたのかたいコートの中、息をした私と、
学校をエスケープして初夏の草むらをあなたと駆けた私は、同じ世界で生きていたのでしょうか。
あたたかい悲しみが、モノクロームの喜びが、光のような喪失が、私の中から出られずに首を絞めるのは、
何故こんなにも苦しいのでしょうか。
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