異世界転移


━目が覚めた。


見知らぬ天井。そして今いる場所がベッドなのだと体が理解する。

あれ?俺もしかして誰かと夜を過ごした?過ごしたんすか?過ごしちゃった?

とか思ったが、いやそんなことはないだろう。

もしそんなことがあったなら、絶対に覚えているだろう。その記憶を。

とそこで、部屋に4才くらいの女の子が入ってきた。

そして女の子は俺に向かって、

 「朝だよ、まだ3歳だからって寝坊は良くないよー」と言った。


「ぬぬぬぬぬぬ」俺は何を言っとるんじゃこの女の子は、といった感じで睨みつけてやった。

だが、俺はなぜ3歳と言われたのかわからず、自分の姿を見てみた。すると━━俺は、3歳の男の子だった。


夢だ、と思う。俺は山から落ちたはずだ。

これは自分にとって都合の良い夢ではなかろうか。(3歳時で存在していることが都合のいい夢なわけがないのだが。)

そう思うのだが自分の心が、身体が、ここは現実であると俺に教えてくる。

 ベッドの上にいる感触も、夢では感じることのできないであろう空気が、この世界は夢であると思う自分に向かって、この世界は現実であるよ、と俺に呼びかけている。


まぁしょうがない。


認めるしかないのだ。


━━俺は異世界に転生してしまった!


まぁしょうがない。女の子に話しかけてみるか。

「ど、どうしたの?」


「どうしたのじゃないでしょ。朝ご飯だよ」


「お、おう」

そして俺は、女の子についていった。 


ここの家は、五人家族だった。母親、父親、一番目の姉、2番目の姉、そして男の子(俺)らしい。



朝ご飯で出てきた料理を急いで食べ、俺はさっきいた部屋に戻る。


そして、心のなかで大きな声で叫ぶのだ。


「異世界に転生してしまったが、そんなの俺の夢には関係ねぇ、俺はこの世界で、モテモテになる!」








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る