もはやこれ実質的な人気投票かもしれない。


 凛のラジオ聞くなんて初めてだけど……どんな感じで喋ってんだ?

 声優のラジオだから、きっとしっとりと耳心地のいい声音でファンに語りかけているんだろうが……。


 と、スマホからラジオの音声が流れてくる──


『──いいですか? さっきから何回も言っている通り、皆さん誤解しています。ソラさんは紅葉ちゃんを助けるために放送をしたんですから! わかりますよね! 当然わかりますよね! ね!』


「うおおおおいっ!!!!」


 ──即ミュート!


 我が妹の喋りには熱がこもっていて、以前ネット番組に出た際の清楚可憐な大人な喋り方とは全く似つかない、

 やばい……ただでさえ身内のラジオなんて聞いてられるもんじゃないのに……あいつ変なテンションで喋ってるよ……。


 しかし、いつまでも逃げているわけにはいかない。

 恐る恐る音量を上げていく──


『……え? 今日なんかいつもと雰囲気違うってメールが沢山届いてる? 


 メールが今手元に来ました……ラジオネーム:”ハミングちゃん”から。

【凛ちゃん、早口でオタク化してるけど大丈夫?】


 何を言ってるのでしょうか……気のせいじゃないですか? きっとそうですよ、別にいつも通りだし。何も問題ありません』



 ──落ち着いて凛さん!


 貴方、人前で「〜だし」っていうキャラじゃないですよね!

 素が出ちゃってますよ!



 ……だが状況は整理できてきた。


 きっと凛がこのテンションでcubeのソラのことを擁護して、火中の栗を拾うような発言を放送冒頭からずっとしていたんだろう。

 その結果、番組名である”凛とした空を!”や”SoCubeがトレンドに上がったと。


 俺が聞き始めるまでに……一体どんなこと言ってたんだ……?


 不安を胸に、トレンドの”凛とした空を!”を探ってみると──


─────────────────────

今日の凛ちゃんテンションがバグってて草

新たな一面を発見

─────────────────────


─────────────────────

いつもの落ち着いた凛ちゃんも好きだけど、好きが溢れている今日の凛ちゃんもこれはこれで良き

─────────────────────


─────────────────────

なんでこんなやらかした人をかばってるんだろ?

関係性があるのかな?

─────────────────────


─────────────────────

何を言ってるか全然わからないのに、凛たんがソラ推しということだけはわかった

─────────────────────


─────────────────────

神月凛がハイテンションで男の話をしててファンが発狂してるんやが

─────────────────────


─────────────────────

こんなの凛ちゃんの兄が聞いたら発狂しちゃうね

─────────────────────


 別の意味で発狂しそう。

 うん……どうやら支離滅裂なことを言ってるっぽいな。


─────────────────────

参謀の新たな火種が見つかったと聞いて

ワクワクが止まんねえよお……!!

─────────────────────


─────────────────────

cubistとしてはリクじゃなくてソラなところがいいな。

これはリクの反応が気になるところ

─────────────────────


 チッ……ハイエナのごとく、cubistが湧いてきやがる……こいつら俺のこと好きすぎんだろ!?

 好きな子をついいじめちゃうタイプなんですかねえ!

 その思春期早く終わってくれません!?


 だけど、

 ”兄=ソラ”

 という等式を確定させるような発言は避けてくれているらしい。


『続いてのメール。ラジオネーム:”凛として春雨”さんから


【今日の放送は凛ちゃんの推しに対する愛が爆発している回となっていますが、あえてひとつ推しの魅力を挙げてと言われたら?】』


 こいつ!! なんて危険なメールを送りやがる……!?



 ……待てよ?


 もしかして──んじゃね……?


 俺は急いで番組のメールアドレスを調べる。だがその間にも──


『そうですね、あえてひとつ挙げるとすれば……声かなあ。

 私、声にはうるさいんですが、ソラさんの声が本当に好きなんですよね!

 うん、特にレンジ。声の幅ですよね。


 普段は男の人にしては割と高めの可愛い感じの声なんですが……なんかちょっとついからかいたくなっちゃう感じの良い声していると思うんですよ。いじめたくなるっていうか……あ、わかります?


 なにかこう……心をくすぐられんですよね……!

 多分これはcubistはみんな分かってくれるんじゃないかなと思うんですよ。

 叫んでる時の声とかもう堪らなくて──』


「聞いてられるかああああ!!!!!!!!」


 ──即ミュート!


 あいつ……そんなに俺の声が好きだったのかよ……!?

 そんなの言われたことねーよ!

 いや……どこからどこまで本気で言ってるのか、全然わかんねえ……!



 ……ふう。


 一旦ミュートにしたことで、なんとか冷静になることができた。

 だがいつまでもこうしていられるわけではない。


「逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……」


 少しずつスマホのボリュームを上げていく。


『──かと思えば、リクさんとくだらない話をする時は、気だるそうに低めの艶のある声で話すんですよね。

 もうその声のギャップが──』


「まだ言ってんのかよおおおおお!!!!」


 ──即ミュート!


 ちくしょう……こうなったら一か八か!


 俺はラジオの再生を停止して、ダメ元である人物に電話をかける。

 何セットかコール音が繰り返された後──


『てめえから電話とは珍しいじゃねえかァ?』

「神埼ィ! てめえの差し金だろ! 凛になんてことやらせてんだよ!?」

『お、聞いてんのかよ。今回は特別な生放送回だからオレも現場にいるぜ?』

「つーか昼の電話の時点で放送絶対決まってただろ!? なんで言ってくれねーんだよ!?」

『てめえが勝手に電話切ったからだろうが』


 ……。


 ……。


「まあそれはそれとして! ……炎上中の奴を養護するようなことして大丈夫なのかよ!? トレンドにも上がってんだぞ!?」

『クックック……オイオイ、何言ってんだよ? オレからすればむしろ──ソラの炎上を利用して注目を集められるんだぜェ? こんな美味しいごちそうに飛びつかねえわけねえだろうがァ!』


 こいつ……っ!!


「……でもそれで反感買うようなことになったら、やべえんじゃねえのかよ?」


 確かに神埼の思惑通りトレンドに上がるほどの大きな注目を集めている、


 だがその関心には当然、好意だけでなく──悪意も含まれている。


 そんな真似をして、凛の仕事に影響が出たら流石に困る。


『それに関しちゃ心配ねえよ。ちゃんとごちそうを利用して煽るだけ煽って、最後はいい話として着地させれば丸く収まるんだからなァ?』

「……いい話?」

『まあ放送を聞いとけよ……特別なゲストを用意してんだからなァ……!』


 と、通話が終了する。


 特別な……ゲスト……?


 突然の情報に処理が追いつかないが、状況を把握するためにも再びラジオを再生する。


『はあ……まだソラさんの素晴らしさが伝わっていないようですね……』


 凛の残念そうな声が聞こえてくる。

 それはそうと、特別なゲストって一体誰だ……?


『こうなると──ソラさんをよく知る人から話を聞いた方が話が早いですよね』



 え……俺をよく知る人……?



「というわけでご紹介します……本日の特別ゲスト、〇〇です』



 ……………………………………………………………………………………………え?






問題

〇〇に入る人は誰か、次のうちから、応援コメントで答えよ。

1. 二宮陸(リク)

2. 更級さら(紅葉ちゃん)

3. izumiのセンスに任せる


ボーナス問題

『凛とした空を!』のトークに登場してほしい人は誰か、

次のうちから、応援コメントで答えよ。


ア. 来崎彩乃(あやのん)

イ. 雪乃宮凪

ウ. 二宮愛海

エ. 祝福会

オ. 凛空の母

カ. 学園長

キ. 姫神さん

ク. izumiが一番面白く書ける人


※この作品を共に支え走り抜けてくれたcubistたちに感謝を込めて、izumi式超絶加点方式で投票結果を集計時に重み付けしちゃうぞ☆

気になる人は近況ノートをcheck it out!

https://kakuyomu.jp/users/Tottotto7/news/16818093076772507119


それでは、cubistたちの投票を待ってるよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る