最後まで奏でられなかった音楽(シーズン11)

殴り書き書店

第一章・第六十三話 Many live and invitation(多くのライブの勧誘)

1066 素直ちゃんからのお誘い

シーズン11『受験は有れでも、ライブお疎かに出来ない編(*'ω'*)b』

第一章・第六十三話【Many live and invitation(多くのライブの勧誘)】が始まるよぉ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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 063【Many live and invitation(多くのライブの勧誘)】


 『あの~~眞子ちゃん。来週の土曜日なんだけど。……ちょっとだけ時間が有るかなぁ』


 11月28日、週末の土曜日。

本日分の授業が全て終了してはいたのだが。

まだ私は1人教室に残り、クラスメイト全員の高校受験の最終対策を考えていた。


そんな折、突然、教室にやって来て、そう言ってきたのは隣のクラスである3-Bの素直ちゃん。

普段も、こうやって、偶に遊びに来てくれるんだけど、今日に至っては、なんか、やけに神妙な顔付きで話し掛けて来ている。


だから最初は何事か?と思ったんだけど。


取り敢えず、そこは深く考えてても仕方が無い事なので。

聞かれた事だけを答える為に、来週の予定を確認する為に手帳をペラペラと捲ってチェック。


予定表を見た所。

その日は週末なのにも関わらず、珍しくライブのHELPが入っていないので、基本的なラインでは問題なし。

……って言うか、来週は、ちょっとした事情で、実は1つもライブを入れてないんだよね。

だから此処はまず、素直ちゃんが、私になんの用事があるのかを確認する事にした。


それが今回の騒動の始まり。



「うん、週末?あぁ、うん。今の所、来週末なら真琴ちゃんの勉強と、クラスメイトの勉強が1時間づつ見る時間が有る位だけだから、夕方からで良かったら、時間は空いてるよ。……なにか用かな?」

「ホント!!あっ、あの、じゃあ僕に、その時間を少し貰っても良いかな?」


ふむ。

予定が無いとは言っても、その日のライブを休みにしてるのには、ちゃんとした理由が有るんだけどね。


まぁ、その事情も、私が居ても居なくても一緒だと思うから、別に構わないんだけどね。


それにしても、素直ちゃんの用事って、なんだろうね?

ひょっとして、歳末のバーゲンにでも行く予定なのかなぁ?


あぁでも……それはないかぁ。

元々素直ちゃんは実家は金持ちだし、本人も芸能人だから、そんな貧乏人の私みたいな湿気た考え方はしないもんね。

ガッポリ儲けたお金が有るんだから、わざわざ人が多いバーゲンになんか行く理由がないもんね。


有名人なら、人の少ない普段日に行ってプロパーで買うよね。


じゃあ結局、なんだろうね?



「うん、良いけど。なにかあるの?」

「あぁ、うん、あのね、あのね。その日も含めて、金・土っと、僕達3B-GUILDのライブがあるんだけど。良かったら、最終日に眞子ちゃんにも来て欲しいなぁって」


そう言って素直ちゃんは、ライブのチケットを2枚さし出して来るんだけど。


それにしても……2枚ですか。


なるほど、なるほど、だったらそう言う事ね。

此処で漸く素直ちゃんが、ワザワザ私にライブ観戦を頼んでくる理由が見えた。


だって、わざわざ2枚渡すって事は=『誰かと一緒に来い』って事でしょ。

そんで、その『誰か』って言うのは、素直ちゃんの誘って欲しい相手を考慮すれば、言わずと知れた、真琴ちゃんの名前が浮上してくる。


直接だと、どうにも言い難いから、遠回しに私を使って『誘って貰おう』って話だね。


了解了解。

その件に関しては、少しして置きたい事も有るから承らせて貰うよ。



「あぁ、ホント。ありがとう。じゃあ、真琴ちゃんを誘って行かせて貰おうかな。……なんてね」

「えっ?あっ、あぁっと、別に、そう言う意味じゃないんだよ。……眞子ちゃんが一緒に行きたい人が居るなら、誰でも良いんだけど」

「あぁ、そうなの?じゃあ、やっぱり崇秀と行こうかなぁ」


まぁ……絶対に無理なんですけどね。


だってさぁ。

12月1日(火)に『Ns`F』がグランドオープンするから、崇秀は今、そのオープンの準備で一番忙しい時期。

流石に、これを、遊びの誘いで邪魔する訳にはいかない。


特に素直ちゃんが指定した週末の土曜日はオープン直後で、崇秀のカットの予約が満タンになっており100%来れる筈が無い。


……これが、さっき言った『来週ライブを入れてなかった事情の1つ』


本当は『なにか、ちょっとでも手伝える事がないかなぁ?』って思い予定を空けてはいたんだけどね。

私自身が、美容関係の勝手が全くと言っていい程解ってないもんだから、昨日も手伝っては見た物のただ単に邪魔になっただけ。


そんな訳だから、この素直ちゃんの申し出を受ける事にした。


まぁ、この時期に暇な人と言えば『真琴ちゃん』ぐらいのもんだしね。


だから、解ってて、ちょっと意地悪を言ってみただけだったりする。



「えっ?あっ……あの、じゃあ、もぅ一枚チケットを用意するから、出来れば真琴君も……」

「ふふっ、嘘嘘。心配しなくても、崇秀は忙しいから行けないよ。だから2枚で十分だよ」

「えっ?……あっ、あぁ!!酷い!!もぉ眞子ちゃんからかわないでよ!!」


顔を真っ赤にして『ぽかぽか』可愛く殴ってくるけど、これは、ちっとも痛くないね。


これが奈緒ネェの『ポコポコ』だったら、私は即死だったろうけどね。



「ゴメン、ゴメン。ワザとだってワザと」

「もぅ、眞子ちゃん、意地悪なんだから」

「ふふっ、ごめんって。……でもさぁ、なんで急に私なの?山中君経由で、真琴ちゃんを誘って貰っても良かったんじゃないの?」

「あぁ、うん。そうなんだけど。その日を含めて金・土・日と3日間。山中君もライブがあるから無理なんだって」

「あぁ、そうなんだ」


そうなんだぁ。

謎の関西人の人も頑張ってるんだね。



「うん。あぁでも、それ以外の事でも、眞子ちゃんには、是非、僕達の成果を見て欲しいって言うのも有ってね」

「成果って?なんの成果?私、なんか言ったっけ?」


あり?

これと言って、特別、なにかを素直ちゃんに言った記憶はないんだけどなぁ。


それにさぁ。

此処最近、受験の件で、ちょっと忙しかったから、素直ちゃんとは、そう言う関係の話をした憶えが無い。


私、なんか言ったっけなぁ?



「眞子ちゃんは、なにも言ってないよ。なにも言ってないんだけど。この間の文化祭の時、眞子ちゃんにバックステージで凄く怒られたでしょ。だからね。みんなで一生懸命頑張って、そんな眞子ちゃんに認めて欲しいって言うか……」


そこ?



「あぁ、いやいやいやいや。あれは、そう言うつもりで言ったんじゃないんだよ。それに私、ちゃんと3B-GUILDの実力は認めてるんだよ。大体ね。私なんかに認められたって、なんの価値もないよ」

「そんな事ないよ。これは3B-GUILDみんなの創意でもあるの。1人だけ、思い切り、先の世界に行ってる眞子ちゃんに認めて貰わないと……前に進めないって言うか」


なんで、そんな事になってるの?


あの時って、確か、崇秀の悪口を言われて、私1人がイライラして、みんなに八つ当たりしてただけの事であって、そう言う話じゃなかった様な気がするんだけどなぁ。


ドッチかと言えば、好き勝手に物を言っただけだし。


だから、私に非が有っても、素直ちゃん達には非はなかったと思うんだけどなぁ。


あぁそれと……私、何所の世界にも、先に行ってないんだけど。

……って言うか、皆さん全員に置き去りにされ放しな感じしか受けなんですけど。



「あの、それは、どういう事かな?実は、ただの嫌味とか?」

「なんで、そんな風に……嫌味じゃないよ」

「えぇ、でもさぁ。素直ちゃん達って、既に有名人なんだよ。それに比べて私なんて、ただの一般人なのに」

「えぇっと……」


えっ?なに、その微妙な反応は?

私は、どこをどう見たって、ただの一般人じゃないですか。

何所のバンドにも所属出来ない様な、極有り触れた一般人でしかないと思うんだけどなぁ。


まぁ唯一、一般人じゃない部分があるとしたら、崇秀の彼女だって事ぐらいかな。

此処は、十分な程に自慢出来るけど。



「あの、なにかな、その微妙な反応は?」

「いや、あの、眞子ちゃんって天然の人なのかなぁって思って」

「ちょ!!私、天然じゃないよ!!それだけは、絶対に違うよ!!」


Σ(゚д゚lll)ガーン……

とうとう素直ちゃんにまで、天然って言われた。


これはダメージが大きい。


天然の人に、天然だって言われるのは、本当に辛いよぉ。

リアルに痛いよ。



「あの、眞子ちゃん……そんなにムキにならなくても」

「あぁ、ごめん。なんか話の腰を折っちゃったね。……でもさぁ。話の内容が文化祭の一件だってのは解ったけど。結局の所、なんで、そう言う事になっちゃう訳?」

「えぇっと、それはね。眞子ちゃんが、僕達なんかよりズッと大人だって解ったし。それ以上に、音楽に対しても真摯に受け止めてる。だからね。どうしても、そんな眞子ちゃんには認めて欲しいの。……自分達の実力で」

「ふ~~~む。あの……それってさぁ。ギャフンって言わしたいって事?」

「うん。一回でも良いから、眞子ちゃんをギャフンって言わせたい」


そう言う事か。


普段から散々悪さバッカリしてたから。

此処で1つ、思い切り実力差を見せ付けて、私を泣かせて置こうって寸法か。


そっか、そっか、そりゃあそうだよね。


ホント散々好き勝手言ったもんね。



「じゃあ、ギャフン」

「あの、眞子ちゃん、それはないんじゃないかな。僕達の、今の実力も見てないのに……」

「あぁ、だって、見なくたって、前から凄いじゃない。ギャフンだよギャフン」

「僕達の事を……馬鹿にしてるの?」


あぁいや、そんな悲しい顔をされてもねぇ。



「してない、してない!!微塵もしてないよ!!3B-GUILDは、元々自力があって、人気も有るユニットじゃない。ほらほら、その証拠に、日本人なら誰だって知ってる位の知名度なんだから、相当な実力だと思うんだけど」


だと思いませんか?


まぁ、そりゃあねぇ。

3Bの中で100%歌唱力が高いって言い切れるのは、素直ちゃん1人だけだけど。

他のみんなも頑張って、今の地位に上り詰めたんだから、私なんかを気にせずにドンドン胸を張れば良いと思うんだけどなぁ。


なんのこっちゃ?



「そうかも知れないけど。眞子ちゃんの方がズッと上の存在なんだもん」

「あの、ホント、それ、なんの話?さっきも言ったけど、私は、ただの一般人なんですけど」

「眞子ちゃんこそ、さっきから、それ、嫌味?」

「えぇ~~~……なんでそうなるの?嫌味なんか、なにも言ってないんだけど」


これが、なんの嫌味だって言うんですか?

現に私は、誰がどう見てもシガナイだけのベーシストですよ。


その証拠にですね。

世間の認知度なんて、ほぼ無いに等しいのに……ただの無名ですよ無名。



「あの、眞子ちゃん。その様子だと、ひょっとしてなにも知らないの?」

「なっ、なにが?」


うわっ……なんかイヤな予感。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>

前回で受験勉強も一段落ついたので、今回からはシーズン11『受験は有れどもライブも疎かに出来ない編(*'ω'*)b』第一章・第六十三話【Many live and invitation(多くのライブの勧誘)】が始まった訳なのですが、如何でしたでしょうか?


どうやら素直ちゃん達3B-GUILDの面々は、眞子にその実力を認めて欲しいが為に、ライブへのお誘いをしてるみたいなのですが。

その当人である眞子は「なんのこっちゃ?」みたいな感じに成っちゃってますね(笑)


さてさて、そんな中。

どうやらこの素直ちゃんの様子からして、眞子の知名度や実力の高さを評価している理由が他にもある様子。

次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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