第3話 運命の響き
翌朝、アリアは落ち着かない気持ちで目を覚ました。空は燃えるような赤とオレンジのキャンバスで、典型的なパイラの夜明けだった。雪のような髪と夜の神秘を秘めた瞳を持つ少年の夢だ。
アリアは予言者を訪ねることにした。予言者はパイラのことなら何でも知っている老賢者だった。彼は王国の端にあり、いつも暖かく心地よい光に包まれているような小屋に住んでいた。
彼女が歩いていると、足元の地面がパイラにしては珍しく暖かく感じられた。空気は硫黄の香りが濃く、火山がいつもより活発であることを示していた。
「オラクル、教えてちょうだい」アリアは小屋に入ると言った。オラクルは深く鋭い眼差しでアリアの魂を見つめているようだった。
「炎の守護者よ、あなたの道はもう一人の氷の守護者とつながっている。二人の運命は繋がっており、共に世界の均衡を取り戻さなければならない。」
アリアの心臓は高鳴った。「どうやって?」
「やがてすべてが明らかになる。自分の力を信じ、エレメントのサインに従いなさい」オラクルの助言が小さな小屋に響いた。
一方、グラシアではカエルムが答えを探し求めていた。氷河と同じくらい年老いた男で、凍った滝のような髭を蓄えていた。
「長老、夢を見るんです。何か...あるいは誰かとのつながりを感じるんです」カエルムは不確かな声で説明した。
長老の目が星のように輝いた。「ああ、守護者の夢か。若きカエルムよ、君は我々の領域を超えた旅に出るのだ。両方の世界に立ちはだかる大惨事を防ぐために、火の守護者を探さなければならない。
カエルムは興奮と恐怖が入り混じったような気持ちになった。「でもどうやって彼女を探せばいいの?」
「エレメントが導いてくれる。氷との結びつきを信じ、魂を導いてもらいなさい」長老は子守唄のようになだめる声で言った。
パイラに戻ったアリアは、答えよりも多くの疑問を抱えたまま、オラクルの小屋を後にした。夜が近づくにつれ、深い青色に染まる空を見上げた。星々は秘密を抱えて瞬いているように見えた。
グラシアでは、カエルムが同じように満天の星空を眺め、未知の運命に引き寄せられるのを感じていた。彼は心の中で、自分の旅は始まったばかりで、どこかに運命を共にする人がいることを知っていた。
夜が深まるにつれ、アリアとカエルムはそれぞれの世界で、説明のつかないつながりを感じた。彼らの冒険が始まろうとしていた。彼らの元素の中心へと、そして互いの中心へと連れて行く冒険が。
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