異世界に来ちゃったけどうちの愛犬は最強なので問題ナシ!
ゆー。
プロローグ
第1話:愛犬と散歩中でした…
おはようございます!
今日も今日とて愛犬のコマに朝早くから起こされて散歩をしています!
「こま〜…あんまり引っ張っちゃダメだよ…」
「わふっ!」
そんなコト知るか!とでも言いたげにリードを引っ張ってくるこの犬は愛犬のコマだ。
プリプリなおしりとクルンとした巻き尾が可愛らしい柴犬だ。ちなみにたぬき柴で赤柴ね。ほっぺとかもちもちもふもふすぎてまじ天使なの!
コマはおしゃべりでよく吠えるんだけど完全に私の言葉理解してるでしょ!ってくらい話しかけたらお返事してくれるんだよね!
最近は換毛期も過ぎて完全な冬毛でもふもふに拍車をかけている。指なんて第二関節まで沈み込んじゃうよ!
コマは元々警戒心が高くてパピー期とかは本当に大変だったよ。よく噛むし、全然ご飯食べてくれないし……。
コマとの出会いはお父さんの知り合いのブリーダーさんに見せられてお父さんが一目惚れしたのが出会い。ちょうど先住猫のネイが天使になって半年が経っており、幼い頃のネイと同じ寝方をしていたコマに魅了されたのだった。
最初こそやんちゃなおてんば娘だったが、今は打って変わってめちゃくちゃ懐いてくれてるし、ご飯と散歩が大好きな可愛い愛犬だ。寝るときなんて絶対にベッドの中に入り込んできてそばで寝てくれて甘えん坊な柴らしからぬ面もある。
そんなところに一家全員メロメロですぐに甘やかしてしまうからコマのお腹の触り心地がどんどん良くなってしまうんだけどね…。
まぁ、私以外には中々懐かないし、柴犬らしくツンな部分もあるし、メス柴らしく攻撃的なところもあるんだけどね……。(ちなみに引き取ることを決めたお父さんが一番嫌われてるっていうか下に見られてる)
コマは家の中でもチッチできる良い子ちゃんなんだけど、散歩が大好きすぎて一日に5回ぐらい催促に来る。キラキラな目で見てこられると断りづらくて困っちゃうんだけどね…コマだけに…………
コマの大好きなお散歩コースである河川敷を通り、神社へと向かう。
コマは大体このコースだと河川敷の坂になっている微妙なところで用を足す。後処理が大変なのでやめてほしいところだが、コマの可愛いケリケリと爽快ダッシュを見ると何も言えない。
神社は家の近くにあって自然が感じられるいい場所だ。しかし、コマは神社までの階段をダッシュで行くので大変だ。おかげで私の足は大分鍛えられたものだ。いまでは50メートル走は大体7秒台でみんなに驚かれてしまう。私陸上部どころか家庭科部なんだけどね……。
「コマ、待てだよ」
コマを少し待たせて参拝する。流石に来る頻度が高いので毎回賽銭を投げる訳では無いが、なんとなくこうして手を合わせておこうと恒例になっているのが現状だ。このときのコマはとてもおとなしく待ってくれているのでありがたい。
今日もコマと無事に楽しく過ごせますように…と願って一礼する。
神社は願うのではなく宣言をする場所…だなんてどこかで聞いたような気がするが、神様だって私たちの顔をもう覚えただろうし、宣言することもないので毎度これが定型文になりつつある。
「わんっ!」
「ん?なぁに、コマ」
突然、コマが足を踏ん張って散歩拒否する。ハーネスが首周りのお肉を押し上げ、顔がむぎゅっと潰れてしまっているのが可愛らしい。
コマがこうやって拒否柴をすることは珍しくはない。こういうときは大抵『水が飲みたい』か『おやつ欲しい』、『運んで』、もしくは『かまって』や『遊んで』だ。
「う〜ん…おやつ?」
「わふっ」
「みず?」
「わんっ」
「だっこ?」
「わぅん」
コマにキーワードを言って反応を確かめてみるけど、コマの反応の違いはあまりない。これは…どういう反応なんだ?
「遊ぶ?」
「あぅん」
「…なでなで?」
「くぅ〜ん」
分からない…分からないぞコマちゃんよ!この鳴き方の感じ…やっぱりおやつかなぁ?それとも遊ぶ?
とりあえず分からないのでコマの好きなおやつのささみジャーキーを一枚出してみるけど気分じゃないのか食いつかないどころかそっぽを向いた。もしおやつならすぐに食いついてくるのでおやつの気分じゃないようだ。
ならば水?いや、疲れたから運んでほしいのかな?流石に神社の長い階段は自分で歩いてほしいんだけどなぁ…。今日は疲れてるし、遊ぶのもちょっと…せめて家で…。
「わんっ!わぅん」
「なんだよぉ…何を望んでるんだい」
「わん!」
コマは何かを強く訴えているみたいだけど何なんだ……。
ん?コマもしかして私の後ろに向かって吠えてる?もしかして野良猫でもいたのかな?コマは猫ちゃん大好きだし。にしては動いてない。猫なら興奮して走っていくだろうし、なんか警戒してる?
そう思ってコマの吠える方向を見てみると私の真後ろに光り輝くなにかがあった。その光の足元には魔法陣のようなものが広がっており、その魔法陣はなんだか段々と広がってきているように感じる。
その光は段々とこちらに向かってきている。コマもずっとソレに吠えており、流石にこれはヤバイ!と思い、固まっていた身体を無理やり動かしてコマを抱える。
コマを抱えて、必死に走り出す。そして、鳥居を通る寸前、私たちは光に飲み込まれてしまった。
目を開けるとそこは元いた神社の中ではなく、どこか禍々しさのある漆黒の玉座の前だった。
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