2024年04月20日(小田八幡宮での奇跡)
小田八幡宮に行って来た。理由はyoutubeで神様が指示を出したからだ。見るように言われた動画で毘沙門天へお参りすると良いと書いていたので近所で祭っている神社を調べたら、小田八幡宮だった。
桜も丁度満開で写真と動画をいくつか撮った。
境内は、とても静かだった。櫛引八幡宮も神宮の外宮もそうだったが、八幡様は水の神なので、空が晴れていても水底に居るような雰囲気がある。
『重苦しくはなく、落ち着く感じがするのだ』
深呼吸をして、お参りをした。この神社も熊野神社と同じく義経伝説があった。毘沙門天の仏像を寄進したのが義経様らしい。
義経様も祭られて居たので感謝を述べた。
本宮は撮らなかったが、神社の入口の門と鯉を撮影し、樹齢100年は超えていそうな木々も撮影した。だが、Instagramに上げようとすると、写真がバグったのだ。写真の一部に七色の縦線が入ったり、写真そのものが黒塗りされていた。
「マジですか神様、こんな写真上げちゃったら騒ぎになりますよ?」
私の問いに神様は答えてくれなかった。
私は、それを奇跡を広めて良いものだと思い、送信ボタンを押した。だが、ファイルのアップロードに失敗した。これは、神様からの拒絶だと思った。境内の写真は全て上げる事を止め、桜の写真だけアップロードした。
「これは、天照様のお力ですか?」
「違う!ワシじゃ!」
「八幡様でしたか」
「そうだ!ワシは天照ほど甘くは無いぞ。境内を写真に写すなど不敬であろう!神を見世物にするな!」
「申し訳ございません。ですが、他の者は上げておりますが、それは良いのですか?」
「赤子を叱るバカが何処におる!お主は赤子か?良い事と悪い事が分からぬわけでは無かろう?」
「そうですね。神様が居る事を知っています。そして、性格も分かっています。八幡様は厳しいお方でした。以後、気を付けます」
「うむ、分かればいい。ずっと見ておったが天照はうぬに甘すぎだ。ワシが性根を叩きなおしてやるから覚悟しておけ」
「はい」
私は、すこし面倒だなと思ってしまった。天照様は、私が掃除をサボったり、お祈りやお供えをサボったりしても何も言ってこなかった。むしろ「出来ないときは無理するでない」と言ってくれていた。
これから、サボる事が出来なくなると思うと少し面倒だなと思った。
翌日の朝、凛々しくカッコいい義経様と美しく舞う静御膳様のイメージが見えた。それは夢と現の間の出来事だった。サードアイを覚醒した後で見る事が出来るようになった映像だった。
義経様の映像が終わると
だが、顔を隠したまましばらく踊った後で顔を隠していた枝を捨て去り、ご尊顔を拝見できた。噂に違わぬ美女だった。顔を見せて下さった後、両手を美しく動かし神秘的に舞っていた。
服は昔の服ではなくパリコレで見るような前衛的な服を着ていた。
コノハナサクヤヒメ様は、最新流行を追っているようだ。
八幡様は厳しいお方だった。冬の間、寒くて朝起きるのは9時頃になっていたのだが、朝6時に叩き起こされた。
まだ眠かったので「あと、五分」と私が言うと「起きろ!」という声と「パーン!」という風船が割れるような音と共に、眠気が吹き飛んでしまった。
私は、仕方なく起きて掃除を始め、シャワーで身を清め、神様にお供えし、感謝を捧げた。
その後、ゲームしたりyoutubeを見て遊んだ後は昼寝をしたのだが、いつもは3時間ほど寝ていたのに1時間で起こされた。その方法は、朝と同じく眠気を奪うという強引な方法だった。
「八幡様、ちょっと強引では無いですか?」
「天照が甘いのだ!ワシは厳しく行くぞ!うぬは救世主になるのだろう?自分を律し、手本となるのだ!」
なんか、暑苦しいな八幡様……。
その後、お笑いラジオの下ネタやニートネタを聞いてた。その時には、左手の人差し指にざわつく感じがしていた。人差し指は仕事を現す指だった。これは、八幡様が気合いを入れているせいで感じているモノだと理解した。
ラジオでは無職を恥じる事も無く、堂々と出来ない自分を肯定し下ネタ全開の投稿をしたリスナーのハガキが紹介された。私は、それを聞いて大爆笑していた。
「なんだこれは?これが今の日本の若者なのか?大和魂はどこへ行ったのだ!」
八幡様はショックを受けていた。
「そうですね。働いていても冗談でニートを装う事はありますし、許容している人も居ますよ」
「うぬは、働いておるからといって自惚れるなよ?ワシから見たら十分に怠け者だ!明日から、ビシビシ指導するから、そのつもりでおれ、明日から全力で生きるのだ!」
「明日は、有休取ったのでゆっくりしたいですが、仕方ないですね」
「え?明日、仕事じゃないの?」
「違いますよ。明日は複数の神社にお参りして、その後、ラーメン屋に行く予定です。良かったら八幡様もどうです?美味しいラーメンですよ?」
「え?あ、そうなの?」
「どうかしたんですか、八幡様」
「いや、肩透かしを喰らっちゃったな~って、さっきまでワシ熱く説教していたじゃろ?明日から全力で生きるのだ!とか言っちゃってさ~。その……。勇み足だったな~って……」
「あれ?天照様から聞いてないんですか?」
「天照!なぜ教えんかった!」
「いや、まだ早いというたじゃろうが!それなのに熱血指導など始めるから……」
「ぐぬぬ」
「次からは、妾の言う事はちゃんと聞くんじゃな」
「分かった。今日は、なんか肩透かし喰らったから帰る」
静かに消えていく八幡様の姿が目に浮かんだ。そして、左手人差し指のざわつきも収まった。とりあえず明後日から本気出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます