第12話 お昼ご飯
「バスケした後のお昼はおいしー!!!」
「わかる」
「制服じゃねぇのもいいな」
「そだね」
俺は英玲奈、絵里、水野と食堂にてラーメンを啜っていた。
「ハーレム築いてお盛んだね、翔」
「新凪、お前も入るか?」
「アンタねぇ、新凪お姉さんと言いなさい」
「お姉さん?はて、どこにそんな人が」
「可愛いくねぇ」
新凪はあや姉の幼馴染で一緒に風呂に入ったこともあるほどの仲である。
だが、新凪をお姉さんなんて絶対に呼べない理由があるそれは...
「でも、その可愛いげなくなった生意気なとこも好き、ねぇ、翔、今日ウチ来ない?」
「行かねぇよ」
「えぇ、ショック〜」
新凪はビッチだからである。
彼氏なんて過去に何人いたかも覚えられない。
「ビッチ先輩だ、今日は翔ですか?」
「柚葉っち、それ傷つく〜」
柚葉はニヤつきながら口元に手を当てて、言う。
ビッチ先輩は身体をくねくねさせ、柚葉に抱きつく。
「新凪〜、なーにやってんの〜」
「あや姉、絡まれた」
柚葉の後ろからこわーい顔であや姉が現れる。
俺はチクり、涙目で助けを求めた。
「新凪!」
「頭割れるかと思った...」
ママ直伝の強烈チョップが脳天直撃。
ビッチ先輩はしゃがみ、頭を押さえ涙を流す。
このチョップは本当にやばい。
以前遊びでコップにやってみたところ、パリんと真っ二つに割れ、俺、七瀬、夏葉は恐怖を覚えたことをよく覚えている。
ガラスのコップがだぞ?
「バレーは抜群に上手いんだけどなぁ」
「あや姉、球技大会見学らしいけど、試合に備えてるの?」
「うん、今日もっかい病院行って、見てもらう」
「そっか」
ちなみにビッチ先輩、ビッチじゃなければ普通に尊敬できる凄い人。
あや姉と共に日本代表に名を連ねているくらいに。
「ビッチ先輩も柚葉先輩もバスケなんだよねぇ、キッツ〜」
「英玲奈が言うとめっちゃ嫌味だけどね」
「英玲奈、負けたら奢れよ」
「は、負けないし」
英玲奈と俺に加えて、水野がいれば、学年では負けないだろうが二年、三年はほぼその競技の全国クラスが出てくる。
ウチはそういう学校だ。
「午後は別れるけど、皆どうする?」
「放課後ってこと?」
「そそ」
午後は英玲奈がサッカー、水野がバレー、俺と絵里が野球に別れることに加え、現地解散のため、教室に帰らない。
「私は翔くんと野球だから翔くんに合わせる」
「とりま教室にいろ
英玲奈、サッカー頑張れよ」
「ご褒美待ってんぞ、旦那」
「スポドリな」
「サンキュ」
中等部の頃みたいで懐かしいやりとりだ。
「海はバレー頑張ってね」
「あぁ」
水野は小学生の時、お母さんのママさんバレーに参加していたらしく結構上手い。
「で、なんで俺が捕手なわけ?」
「私の我儘、いいでしょ、たまにはさ」
「さっきのお詫びってことで」
「私の心がわかってきたみたいね。
えらいぞ、翔君」
「ありがとよ」
俺と絵里はバッテリーを組む。
久々に絵里のプレーを観れると思うと心が躍るな。
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