第2話 竜が転生した双子貴公子 2
天空で揺れていた星がふたつに割れて香久山のもとに墜ちた。
宰相の邸に双子が生まれた夜に起こったその異変は、たちまち宮廷に広まった。これは吉兆か?神の怒りか?
天が示した徴は当然、宰相の息子たちの誕生に結びつけられて噂された。産まれたのが双子であることも、宰相が隠すより速く宮廷中に広まった。何より星がふたつに分かれたことが双子を象徴していると、迷信深いもの達は騒いだ。
帝国を平らげたばかりの
「これが、取るに足らない家臣のことならどれほど良かったか」と。いま、建国の右腕とも左腕とも頼む宰相を、世迷いごとのような話で手放すわけにはいかない。
古参の占師に訊ねればどう答えるかは聞く前からわかっている。日向の小国の王子であった頃より仕えている奴等は誰もが宰相のことをよく思っていない。
このヤマトの地を治めていた彼らが最終的に和睦に応じ、そればかりか王位をあけ渡したからこそ、こんなにも少ない犠牲で建国出来たのだ。それに。
「貴様を王にしてやる。我ら一族の地と民を護るためにな。命にかけて貴様と貴様の末裔を護ってやる。だから貴様はこの国の王として永遠にこの地に仕えろ。それが滅ぶ国へのただひとつの誓いだ。その約束が破られる時、貴様の一族の未来はないと思え」
脳裏には当時、戦いの大使としてやってきた敵国皇太子の
滅ぶ、という時、
強大で無双、見るもの恐ろしい敵であった。あぁ。思い出しても毛穴が逆立つ。あの顔、あの男は滅ぶことを選んだ。民の血と引き換えに己の命を差し出したのか。
る、と
こうして両国の和睦後、
日向からひたすら東へ進み、この中央を平らげ、建国の王となった
とにかく。
いまは手を打つのだ。
「天文博士、を呼べ。いや、
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