過去にタイムリープした俺は社会人になって身につけたスキルを使って学生生活を満喫する ~社会人スキルは万能です~
りっつ
第1話 プロローグ
俺の名前は八代慶太。ただいま絶賛混乱中だ。
なんで俺は実家にいるんだ?というかなんで実家がこんなにごちゃごちゃしているんだ?
今、実家は親父がおふくろと離婚をして一人暮らしになり、すっきりとしているはずだ。
それが、懐かしいブラウン管のテレビはあるわ、兄貴と共用していた2段ベッドはあるわ、懐かしい昔の実家そのままだ。
夢にしてはリアリティがありすぎる。
俺は今41歳で、妻と子供2人がいる。
会社は転職したてだが、順調に仕事はこなせているし、今後の教育費を考えても十分な年収がある。
まぁ、ありふれた中流家庭ってやつを築いていた。
それが、現在。どうやら中学生のころに戻っているようだった。
間取りとしては3LDKだが65平米とやや狭めのマンションの一室で、両親と姉ちゃん、兄貴と俺で5人暮らし。
姉ちゃんとは5歳差、兄貴とは3歳差だ。
両親は俺が社会人になって結婚したのを見計らって離婚をするわけだが、このころから仲が悪い。
「ケイタ、寝てないでご飯よ。」
母さんが俺を呼ぶ。もはやなかなかありつけない懐かしい母さんのご飯。
今日はハンバーグとポテトサラダ、俺が好きだったメニューだ。
自分が作る側になると、結構手間がかかるんだよな・・・ありがたく頂戴しよう。
「いただきます。」
うん、うまい。社会人になってからレシピを聞いてみたが、適当に作っててこれらしい。
結局俺も適当に作るようになって同じ味が出せるようになったのはこのころの味の記憶が強いからか。
「ごちそうさまでした。」
「今から塾でしょ?はよいかんと間に合わんよ?」
え?え?あ、そういえばこのころは塾に行ってたか。って言っても家の近くにある、個人塾だ。
ちなみにこの塾の先生は俺が中学を卒業してすぐに亡くなるんだよな。
「ほな、行ってくるわ。チャリのカギどこやっけ?」
母さんは怪訝な顔をしながら言う。
「何をボケとんのよ。いっつも机んところに置いてるやろ。行ってきぃ。」
「あ、ごめん、チャリはどこに置いてたっけ?」
母さんはますます怪訝な顔をした。
「何を寝ぼけてんの。大丈夫か?エレベーターホール出てすぐんとこやろ。」
「あぁ、そうやったね。ほな行ってくるわ。」
夢にしても本当に長すぎるな・・・どこまでリアリティがあるんだ。
しかし、このままいけば、中学時代の友達にも塾で会えるってことか。今となっては誰とも顔を合わせなくなったから懐かしいな。
「おー、トール、久しぶりやな!」
「なにゆうてんねん。学校で会ってるやろ。」
「まぁ軽いボケやん。」
トールは小学校からの親友と言っていい友達だ。
小学校は一学年6クラスあったが、6年間同じクラスというミラクルを起こした。ミラクルと言いつつも誰でも一人ぐらいはそんな相手いるだろ?
「おぅ、クロ。」
クロことクロトはこの塾で唯一俺と成績で張り合うことのできた存在で、無口だが絡めば絡むほど味が出るようなやつで、かなり好きな友達だった。いや、異性じゃないぞ。
「・・・」
相変わらず無口な奴だ。しかし、懐かしい。
塾の狭い教室も、個人宅を改装して使っているため生活感のあるにおいも、全部が懐かしい。
成績順に席が決まっているため、俺はクロと並んで一番後ろだ。今回はクロに負けていたらしく、一番成績が上の席ではなかった。
気が付いたこと。授業内容は意外と忘れていることが多い。数学や国語、英語は問題ないが、社会と理科はほとんど忘れている。30年ほど前の記憶だから意外というわけでもないかもしれないが。
だって、植物の道管、師管、維管束とか社会人になって使わないからね?
社会もちょっと地図記号が怪しいぞ・・・。
数学、国語、英語は余裕だ。この3教科は大学生になってからも塾の講師のアルバイトで教えてたからな。
授業の内容からどうやら中学3年生に戻ったみたいだ。
さて、これからどうするか。中学3年なら西暦は1995年。高校に入ったころにポケベルが全盛期を迎えるような時代だ。
どうやら記憶はしっかり残っているらしいから、未来予測チートもできそうだが、残念ながら株やら投資には手を出していなかったからそっち方面ではあんまり何もできそうにない。
とりあえずはこのころやってたことをちゃんと覚えてないから日常の流れに乗るのが先決だな。
卒なく久しぶりの塾もこなしたし、帰って寝て、まだ状況が変わってなければこれからどうするか考えよう。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
執筆活動をやめてからまる一年。気が向いたときに少し書いてみようと思います。前作をご存知の方はほぼいないとは思いますが、リライト版になります。前回は早く終わらせなければならない事情もあり、最後無理やり終わらせましたが、今作はじっくりかく予定です。
前作をご存知の方もよろしければお付き合いください。共通の部分もまぁまぁあります。
応援ありがとうございます。あまり気にしないつもりでしたが、やはり数字が上がっていくとテンションも上がりますね。よろしければポチっとしてやってください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます