第23話 インジュリー

彦徳は小腹が空いた。


時間は23時を過ぎていたが、まぁ少し位なら大丈夫かと、

キッチンに向かった。


冷蔵庫を開けて、何を食べるか考える。


ベーコン、卵、食パン、トマト、リンゴ。


彦徳はフライパンを取り出すと、コンロに置き、

卵を2個ボールに割り入れた。

そして塩と胡椒を軽く振る。


次にまな板を置き、トマトを2cmの厚さに切り、皿にのせる。


その流れのまま、6枚切りの食パンを2枚取り出し、トースターにセットする。


ボールに割った卵を軽く混ぜると、フライパンに火をつけて、

サラダ油を薄めにひき、卵液を流し入れる。


20秒ほどで火を止めて、菜箸でさっくりとかき混ぜるとスクランブルエッグが完成。

皿に移した後、同じフライパンにベーコンを2枚いれ、カリカリになるまで焼く。

「逆でもよかったな」と彦徳は思った。


このタイミングで「チン」とトースターが鳴り、トースト2枚も完成する。


こんがりと焼けたトーストに多めのマーガリンを塗り、スクランブルエッグを均一に乗せ、カリカリのベーコンも乗せる。

その上にトマトも乗せて、マヨネーズを少々。


最後にもう一枚のトーストを乗せれば、BLTもどきが完成する。


彦徳は早く食べたい気持ちを抑えつつ、デザート用のリンゴを冷蔵庫から取り出した。


包丁で皮を剥くのが怖いので、ピーラーで皮を剥き、縦に1回包丁を入れる。


さらに半分になったリンゴに包丁を入れた時、リンゴが滑って、それを押さえていた

左手の人差し指に包丁がざっくりと刺さった。


「しまった」


と彦徳は思った。リンゴが固めだったので思っている以上に力が入っていた。


みるみるうちに人差し指からは血が滴り落ちて、ズキズキとした痛みもじんわりと襲ってきた。


爪も切れている、思っているより出血がひどい。


血がついた包丁とリンゴ、赤黒いシンクと水。


彦徳はしばらく何もできなかった。

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