第50詩「温もり」恋愛詩🌟月刊ココア共和国2023年2月号佳作

 聖歌キャロル流れる。街で独りたたずむ。

 夢の中でも見つけられなかった、君の姿。

 人混みの中探したんだ。

 

 ひとつ影が動く 目で追い探す。走って、走って追いかけて。

 ようやく追いつく、一匹の猫の姿。



 茶色の瞳、白い猫。優しい雰囲気の君の瞳とよく似ていた。

 猫を拾って、君の思い出と眠りに落ちる。

 まぶたの裏には君がいて。去年の聖歌キャロルと共に踊っている。

 君の笑顔と、最後の涙がまとわりついて離れなくて…



 聖夜に君に夢でも、一度逢えたなら

 それ以上、何もいらない。

 頬に伝う涙、髪をなでる手のひら、温もりに君の香り。

 目を開けると、困ったような表情の猫がいた。

 やっと、君に逢えた気がしたんだ。


(ありがとう。君はずっと、ここにいたんだね。)


 キャロルを口ずさみながら、ひだまりを抱いて歩き出す。

 腕の中の温もりと胸の中に見つけた、消えない温もりを抱いて。



 🎄🎅🎄🌟🎄🎅🎄🌟🎄🎅🎄🌟🎄🎅🎄🌟🎄🎅🎄

 〇これ書く前に聴いた曲の影響。切ない…

 大切な彼女を亡くした男性の気持ちで書いて見ました。

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