第28話「丘の町2」

- - - - -

 どうも。

「あぁ!モアさん。何かわかりましたか?」

 ええ。今夜、助けに行こうと思います。

「えぇ?助けに?どうなっているの?何があったの?!」

 まずは、ご説明しなくてはいけませんね。マルセルさんはこの町にいらしたのです。

「まぁ!そうなの?!」

 何故かはわかりませんが、ロランと言う男が拐って監禁しているみたいです。

「まぁ、そうですか…。アノ子が救われるのを祈ります。

モアさん…お願い、します…!コチラで!」

 何故そうなったのか、わかり次第またご報告します。

ーーふ…ぅん?


真っ暗だわ。

今は、昼かしら…?

夜かしら?

「あたし怖いわっ!ネル…。

「大丈夫よ、ルゥセ。きっとマルセルが何とかしてくれるわ。」

「そうよ!2人とも大丈夫よっ!」

とは言ったけど…。

どうしよう‼︎

実は、アタシも恐いぃ!!

誰か助けてぇえ!


「昨日、負けちまったから、すっからかんだぞ…。どうする?これから…。」

「ラヌもねぇしよぉ…。」

「泣き事言うな!アイツらを売っちまえば、それなりの金にはなるはずだ!

ヒャハハッ!

まさか売り飛ばされるとは、思ってないだろうぜ!!」

;;_ _

ーーしまった。

灯りを消してから、殴り込もうと思ってたのに…。

雫が腹立たしくて、立てかけてあった板を倒してしまった。

「ッ誰だ!?誰かソコにいやがんのか?!」

「窓の所に隠れてるな、出て来な!大人しく捕まれよ。」

 今の話は、本当ですか?

「お前、見ない顔だな?ん…?」

「聞いてたんだろ?ぉ…俺達も生きて行く為には仕方ねぇんだッ!」

「邪魔するなら、アンタを…ぶ…っ倒してやるぜ!アンタもついでに売ってやるよ!」

「アンタは、女よりいい値がつきそうだ。そしたら、俺達は金持ちだ!

ヒャハハ!」

ァン、右からから来る奴を壁に弾じき。

ドゥ、左から来る奴を蹴り飛ばす。

トヮ、正面から来る奴は後ろに身体を一回転。

踵で顎に2発。

_-

((

ーー右から音がする。

何かで後方から頭を殴る気だな。

…当たった振りでもしてやろう。

左の拳でそれを砕き、朽ちたそれは砕け散る。

その時屈んだ、足首に忍ばせた刃物を取る為。

「ヒャッハハ。

これで、このロラン様が勝ちだ!」

ーーざんね〜ん。

勝てませ〜ん。

ーー近くに寄ってきたから、両肩を片腕で押さえ込んで壁に押しやった。

---I

「ぐっ!」

--→l

ーー刃物を肩に突き立てた。

「ぐぁあ‘'!」

ーー右肩を刃物で壁に串刺しにしてやった。

視界が歪む…気持ち悪い。

 もう、負けは見えてますよ?拐ったんでしょ?どこですか?

「ア''ッ!やっぱアンタ昨日…!」 

''ッ。

 そんな事は今、どうでも良い。

!!

「あ''ぁぁっ!拐ったんじやねぇ、着いて来たんだ!ぃ''ぃ''い''でぇ''え''!!」

ーー言え。

殺しはしないけど、痛め付けてやりたい気分だ…。

早く言え。

 マルセルは、どこですか?

「ぐっ。ゥ''ゥ''ゥ''」

ーーもっと傷口をえぐって欲しいか?

言えっ‼︎

それとも、もう1本刺して昆虫の標本みたいにして欲しいか?

 言いなさい!ど・こですか?

「ぐぁ''あ''ぁ''!!お、奥の部屋にいる…!」

ーーこっちも辛いんだよ''。

あぁ''いらいらするっ。

初めから素直に吐けば良いものを…。


誰⁇

灯り⁈

 もう、大丈夫ですよ。

「わぁあぁあぁあん!!」

ネルとルゥセは「助けに来たその人」にしがみついて離れなかった。

 はぃはぃ。帰りますよ。

後を着いて歩いてたあたしは、見てしまった。

その惨状を…!

たぶん2人くらい倒れてて、声を掛けてきた確か…ロランってヤツが血だらけで肩が串刺し…。

ぐったりしてる。

アタシ達は「何」に助けられたんだろう…?


ーー何か増えた!

べたべた鬱陶しい。

 マルセルは誰ですか?

「ア、アタシよ。」

ーーこいつを連れて帰ればいいのか…。

 後の2人は、お互いの家は遠くないですか?

ーー助けたのに、また拐われたりしたら面倒くさい。

「それは大丈夫です。わたし達ジュメだから。」

 マルセル。皆さん心配してますよ。 

- - - - -

!?

「あぁ!マルセルッ!!アンタって子はもうっ心配させて!!

モアさん…ありがとうございました!!」

「…ちょ ちょっとぉお!誰よ!アノ人?!何者??」

「何ってお願いしたのよ。

「…何??だって、アンタが7日も帰ってこないもんだから…心配で。」

ーー小声で話してるつもりだろうけど、全部聞こえてる。恩知らず…。

「だからって…。」    

 あの、マルセルさんを送り届けたので帰ります。

ーーこの娘の反応からして、広いからって派手にやり過ぎた。

次は、気を付けよう…。

 では…。

仕事用の笑顔で、扉を閉める…。

任務完了。 

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