第8話行方不明者·内藤

「どうしたんだ道草、急に大声なんて出して…。」

「もしかして、こいつ内藤栄喜ないとうえいきなんじゃないか?」

道草が言うと、スタッフ一同がざわめき出した。

「道草、お前確か内藤と同期だったよな?」

スタッフ·石渡いしわたりが言った。

「あぁ、そうだ。もう長いこと連絡してないけどな…」

「連絡先わかるか?」

「連絡先はスマホに記録してあるけど、繋がるかな…?」

それから道草はみんなにせがまれ、内藤に電話をかけた。しかし繋がらなかった…。

「……ダメだ、内藤のやつスマホ変えたみたい。」

「それなら内藤の家に行こう、住所なら履歴書に記載されてる。」

我々は履歴書の住所へ向かい、彼に直接会いに行くことにした。椿と道草が到着したのは、二階建てのアパートの104号室。表札は内藤のままになっている。

道草がインターホンを押すと、肌が黒く焼けた四十代の男が出てきた。

「はい、どちらさんで?」

「私たちは、ドキュメンタリーの取材をしているものです。こちらに内藤栄喜ないとうえいきさんはいらっしゃいますか?」

内藤栄喜ないとうえいき?おれは内藤というが、名前はたけしです。」

どうやら同姓の人違いだった…。

「あっ、どうやら人違いでしたね。失礼しました」

「ちょっと待て、お前らは内藤栄喜ないとうえいきの知り合いか?」

「というより職場の同僚と上司です、会社に出社しなくなったので心配して見にきたんです。

「そうか、それならこのアパートの管理人に聞いてみるといい。おれが話をつけてやる」

我々は猛さんの協力の下、アパートの管理人に話を聞いてみることにした。

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