第6話映像(3)

悪魔の儀式を行う祭司·ミーア、映像でみたその姿は白い肌が若々しく妖美な金髪の青年だった。

「意外ですね。宗教のトップって、髪が長くてボサボサな年寄りだと思っていたんだけど…」

『これより儀式を行います、儀式は一人ずつ行われミーア様を通じてルシファーが力を与えるのです。まずミーア様がルシファーに敬意を込めて祈ります。』

ミーアの前に魔法陣が書かれた紙がしかれた、そしてミーアは顔つきを変え、文章を唱えだした。

「やはり嘘ですね、ルシファーが現れるわけ…」

「いや、待てっ!」

映像を切ろうとする道草を止めた椿、すると魔法陣から禍々しい光が筒状に伸びて、天にまで届いた。

『これはルシファー様の力が顕現し、光となったものです。これよりこの光の中へ参加者が一人ずつ入ることで、ルシファー様の力を得られるのです。』

まず一人が光の筒の中へと入る、するとその人は苦痛で絶叫し、光がその人の中へと入り込んでいく。まるで未来の人体実験を見たようだ…。

「これは……すごい……」

あまりの衝撃に椿も道草も、何も言葉に出すことができず、ただ目の前の映像を見ることしかできなかった。

そして五分後に光が消え、中に入った人が出てきた。

『ご覧ください、これが悪魔·ルシファーの力を得た素晴らしき者です!』

さっきまで何の異変もなかったのに、その人の顔は明らかに悪を帯びた笑みを浮かべていたのだった…。

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