ラティウム語
目次
【第一項:ラティウム語】
【第二項:『Aye saw』と『Non saw』】
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【第一項:ラティウム語】
概要:まだ人類がエピタピオスの領界と呼ばれる世界に住んでいた時代、邪神ウルの進行から逃れる為に、大魔導士アベルと彼の契約悪魔である空間の悪魔トポスによる人類の大規模転移が行われた。
それにより人類の九割以上が、現在、人類が住んでいるユーダイモニアの領界に転移したが、このエピタピオスの領界に人類が住んでいた時代、アルゴニアと呼ばれる北方領域で使われていた言語がラティウム語である。
アルゴニアは獣人種達が中心に住まう地方であった為、ラティウム語は獣人たちの間で広く使用された。だが、邪神ウルの進行から逃れる為に行われた大魔導士アベルの大規模転移は、上手くはいったものの、転移先の世界に逃れた人類の多くは新たな異世界に適応できなかった。
それにより、多くの民族や多くの国家人が自身の帰る場所を失った難民たちが大量発生した。この難民たちは互いに使用する言語体系が異なっていた為、多くの場合は互いの確執により争いに発展したが、この争いを防ぐ為にカインの末裔と呼ばれる魔道結社——当時は禁忌とされていたあらゆる学術の研究を行う事を目的とした秘密結社——により、橋渡しの言語である『リングア・フランカ』が開発された。
この世界初の共通言語であるリングア・フランカは、その簡単さと利便性の良さから市民や奴隷の間で徐々に普及したが、その代償として、多くの言語が使用されなくなってしまった。ラティウム語もその一つであり、現在でもラティウム語を使用しているのは、デネ帝国の極一部の地域だけであり、その一部の地域でさえ、伝わっているのは祭典用に古代から残って来た祝詞くらいだけと言われ、言葉の意味は正しく伝わっていない。
その為、日常的な話言葉として使える民族は存在しておらず、実質的に失われた言語である。一部のモノ好きな文人が研究の一環として文章を書くことが出来る位であり、その文章も、残っている単語の復興や研究があまり進んでいない為、あまり流暢な文章は書けない。
【第二項:『Aye saw』と『Non saw』】
概要:ラティウム語では『Aye saw』と『Non saw』という言葉があるが、これは現在で言うところの『はい』と『いいえ』、『ありがとう』や『ごめんなさい』である。他にも前後の文節で意味が転じて、『嬉しい』や『悲しい』などの感情表現や、『分かりました?』『嫌だ』『うるさい』など、様々な意味を込めて使われる。
発音は『Aye saw(アイ・サーゥ)』と『Non saw(ノン・サーゥ)』となり、サーの部分にアクセントをつける。デネ帝国の極一部の地域では、現在でも、この『Aye saw』と『Non saw』だけは正しい意味で残っている。また、大人は正しい発音でこの二つの言葉を使えるが、子供は舌足らずな発音で上手く発音できない場合があり、そのまま大人になってもその発音で、この二つの言葉を使っている場合がある。
その場合は、発音が『Aye sa(アイ・サー)』と『Non sa(ノン・サー)』となる事が多く、小さい『ゥ』の発音が抜けて発音されている。
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