スキル

【第一項：スキルの定義】

【第二項：階級】

【第三項：スキルと分限魔術の歴史について】

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【第一項：スキルの定義】

概要：個々人が持つ物事を行う能力に対して、『観測の悪魔』と呼ばれる悪魔が名称をつけたもの。一般的なもので言えば料理や掃除などの一般的な家事能力、裁縫・鍛冶・狩りなどなど、手に付けた職に関する職能技術力、果ては剣術・弓術・槍術・魔道技術などなどの戦闘に関する能力などが有名である。

【第二項：階級】

概要：一般的に同じ技能・技術であっても、習得している者が異なればその習熟具合には違いが出る。この習熟具合を正確に数値化する事は人の眼では難しいが、観測の悪魔はこの習熟具合を正確に観測する事が可能である。この習熟具合の違いは、よく『階級』という言葉で表され、現在は失われた魔術である『分限魔術』が使用されていた際は、『心得（Grade1）→達者（Grade2）→至妙（Grade3）→極致（Grade4）』の四段階の順で、スキルの習熟具合がステイタスに表示されていたと言われている。

【第三項：スキルと分限魔術の歴史について】

概要：『スキル』という言葉の語源は、邪神ウルの侵攻時前の古代に起こった百年戦争時にまで遡る。当時の世界では戦争の影響で奴隷の身分に落ちた者が大勢おり、能力のある奴隷は重宝されていたが、この優秀な奴隷を見つける為に、当時、観測の悪魔の契約者であったユークリッド・ステイタスという数学者を中心に考案されたのが、個々人の霊体（アニマ）に保存された能力情報を言語化、また数値化する魔術——『分限魔術』である。

この分限魔術により、個々人の能力を数値化・言語化した水晶玉……一般的に『スタイタス』と呼ばれるものが実体化し——考案者であるユークリッド・ステイタスの家名を取って名づけられた——優秀な奴隷を見つける為に使われた。

このステイタスの表式は各項目に分かれ、それぞれ『簡単な個人情報』『身体能力と霊力（マナ）の総量を数値化した情報』『対象が持つ技術・技能とその習熟具合の情報』が表示されるが、スキルとは、この項目にある『対象が持つ技術・技能とその習熟具合の情報』を総称して言い表したものである。

因みに、この『Skill（スキル）』という名称は『知識、神の知恵』という意味がある『Skeel（スキール）』の語感から取って作られた造語。奴隷商人たちの間で使われた言葉が奴隷たちの間でも使われ、そのまま奴隷を経由して一般にも普及し、『技術、技能、物事を行う能力』という意味を持つ『Skill』という単語として定着した。

また、現在でもスキルという言葉が会話の中で使用されることはあるが、分限魔術自体は失われている為、当時の人間たちが使っていたスキルの意味合いとは異なっている。当時のスキルといえば、ステイタスに表示される技術や技能の項目の事を指していたが、現在のスキルとは、ただ単純に技術や技能という意味を持つ単語の事である。