第26話 今日の計画

「時雨ー、準備できたー?」

「できましたー」

「じゃあ入るねー」

「どうぞー」


「私服の時雨も可愛くていいね」

「そこまで服にはこだわってないので可愛くはないと思いますけど」

「十分可愛いけど」

「……ありがとうございます」


 私が十分可愛いと言った後の時雨の発言に少しラグがあった。前と違って赤くはならなかったが照れていると見ていいのだろうか。


 最近時雨はずっと笑顔で表情の変化が乏しくなっている。時雨も岩永さんの様なポーカーフェイス(と言っていいのかな?)を習得したということだろうか。


「西園寺さんもよく似合ってますよ」


「忘れ物はしてない?」

「はい、しっかり確認済みです」

「偉い」


「そろそろ出よっか」

「はい」


 2人で部屋を出て屋敷の出入り口へ向かって一緒に歩いていく。


「メイドさんたちには出かけることを伝えたんですか?」

「出かけることだけは伝えてある。どこに行くかはまだだよ」

「もうメイドさんたちも来てますし伝えてから行きませんか?」

「うん、そうする」


廊下ですれ違ったメイドさんにショッピングモールへ出かけることを伝え、屋敷を出た。


「ショッピングモール行ったら何したい?」

「色々な店を回ったり、スイーツを食べたりしたいです」

「服とかも見てみたいね」

「そうですね」


「昼食はどうしますか?」

「フードコートで適当に済ませれば良いんじゃない?」

「西園寺さんのお口に合いますかね?」

「普段から美味しいものいっぱい食べてるけどそこまで舌が肥えてるわけじゃないから問題ないよ」

「それならフードコートで何か食べることに決定ですね」


「こうやって計画立ててるこの時間も楽しくていいよね」

「修学旅行とかもその時間も凄く良い思いでですよね」

「分かる~」




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