広場に住まう物
聖レポーター@色々連載中、予定
広場
「ああ、まずいなこれ、間に合うか?」
俺は佐藤哲也、ブラック企業勤めの普通の社畜だ。今日も残業を終えて終電に乗る為に走っている。
「ほんとふざけんなよあのクソ上司!あんな奴なんて家がGに乗っ取られれば良いんだ!」
日々のストレスをぶち撒けながら走っている俺だが、このままじゃ終電に乗り遅れてしまう。
「ああもう!ちっ!行っちまったか…」
くそ、案の定終電を逃してしまった。タクシー乗る金もなければ家は歩ける距離ではない。つまり、帰れない。
「ちっ、しょうがない何処か一夜を明かせるところを探すか」
何処か良い場所はないかといつも通らない道を歩いて探す
「うーん…お、この広場は丁度良さそうだな」
人通りも少ないし、騒音も無いしここで寝よう。
〜12時間後〜
「うーん、今何時だ…あ、」
12:47…全てを悟った。遅刻だあのクソ上司になんて言われるだろうか。
「終わった…い、いや、今から行けばまだなんとかなるはず…ああ、そうだ通知見なきゃ…あれ?」
おかしい、何故通知が一件も来ていないんだ?あのクソ上司だぞ、ゆうな100は超えてるに違いない。もしやあのクソ上司も遅刻か?
「よし、なら何とかなる…徒歩四分くらいか、よし急ごう!」
まだ助かる!神は俺を見放さなかった!
『ボンッ!』
「痛い!」
なんだ今の?広場から出ようとしたら、まるで壁に当たったかのような音がしたと同時に痛みが走った…
「なんだ?」
そう思い、広場の出口を叩いてみる。そうするとさっきボンッ!という音がなった。
「これはガラスか?いやそんな感じの音じゃないしな…」
いろいろ考えてるがなにも浮かばない…
『コンッ!』
「なんだ!」
考えていると急に物音がした。
「どこから聞こえてるんだ?」
音の発生源を探すとそこには一辺が30㎝程度の立法体の木箱があった。
「これが音の発生源か?」
『コンッ!』
?!やっぱりだ、木箱から聞こえる…とりあえず近づいてみるか
「うーん、何だろうなぁ…あ、上が開きそうだ。何が入ってるのか…は?」
おいおい、なんだこれは…箱の中には
小さな俺が居た。
いや、これだけじゃ言葉が足りない。この広場を上から見たような場所を小さくしたところに俺が居る。しかもさっき俺がした行動をしている。どういうことだ…なぜ俺が居る。おかしいだろ…
いや、もしかしてこれはマトリョーシカのようになっているのではないか?
となると俺はマトリョーシカの中間点に居るとするのならば…上には俺が居るはず…
少し怖いが…勇気を振り絞って…はいっ!
「…?!」
あれはなんだ…虹色に輝く球体の塊が空に浮かんでいた…
「あ…ああ…」
時間、空間、全てが混沌に包まれる。
「 」
声も出ない、そんなことも気にせず虹色に球体の塊は近づいてくる。
そして俺は
狂気に包まれ、発狂した。
『ブヂャァ…ポタポタ……』
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