「あなたは誰かによって命令されていたのですか? つまり、被告人席と称せられる場に座らせられた“被害者たち”を、組織的に殺戮することを是とするような働きかけを、あなたが行ったことについて、そのように行えと命じた何者かがいたのですか?」


 という問いかけに対して、『被告人』は答えた。


「いいや」


 『被告人』は傲然とした態度で言葉を重ねた。


「私が行ったことは組織的な殺戮などではなく、法に基づいた正しい審判であった。それは、神の前に人がそのように行わなければならない義の行いだったと、私はいまこの場においてなお確信している」


 そこで判事が木槌を鳴らした。


「ですが……」


 は論じた。


「あなたたちは処刑される人間の名簿を作り、連日、彼らが犯行時点で服するべきであった法に基づくことなく、彼らを絞首台に送り続けた。そしてそれは最終的には、一つの民族をこの地上から完全に消し去るという目的のためだった」


 被告人が再び発言の機会を与えられた。


「違う」


 被告人は言葉を重ねる。


「彼らが、それを行ったのだ。私は彼らに下されるべき裁きを下しただけだ」


 これに対する、検察官の答えはこうであった。


「あなたはかつて、何度も、多くの犠牲者たちの前で、重ねて、こう言いました。『君たちは、否と言うべきであったのだ』と。自分のやったことが組織的な民族浄化であると、あなたは認めますか?」


 被告人は答える。


「いいや。私は何一つ、間違ってなどいない」


 判決が下された。


「主文。被告人を、終身刑に処する。仮釈放を行うことは、これを認めない」

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