第64話 ハンバーガーと骨付きチキンって肉々しい?
今日のお昼はハンバーガー、夜は居酒屋風にして試飲コーナーも設ける予定。
夜の食べ物何にする?うーん………。
色々考えて、洋風の小洒落た感じに決定!
肉料理盛り合わせ、チーズ盛り合わせ、ナッツ盛り合わせ、果物盛り合わせ。
アクアパッツァ、岩石エビのテルミドール風、アサリの酒蒸し、魚介たっぶりパスタ、ペペロンチーノ、シュリンプカクテル。
煮込みハンバーグ、ミートグラタン、エビグラタン、カルネアサーダとカルニータスのタコスセット(サルサ・メヒカーナとワカモレ、ライムを添えて)
ガーリックトースト、カナッペ、ガーリックライス、野菜スティック、焼き野菜盛り合わせ。
こんなモンかな?
2人に食べ物の名前や料理の内容など説明。
すでに渡したものや食べたものがいくつか混ざっているんだけれど、念の為全部食べたいと言うので試食タイムに突入。
鳳蝶丸が貯蔵部屋からお酒を出してきて、がっつり味わっていたよ。
「うん、美味い」
「この料理はワイン、こちらはニホンシュですかね」
「ウイスキーでもいけるぜ」
「いいですね」
2人が喜んでくれると嬉しいので思わずシャンパンとグラスを再構築しちゃう。
シャンパンはちゃんとシャンパーニュ地方のだよ。
「こえ、売なない、でも、おしゅしゅめ」
二人は直ぐにグラスへ注ぎ口にする。
「これも美味いな」
「チーズにも果物にも合いますね。どれも大変美味しいのですが、わたしはこのシャンパンが一等好きです」
人をダメにするクッションを椅子型にしてゆったり座り、指で苺を摘みながらシャンパンを飲むミスティル。
似合いすぎて凝視しちゃったよ。
私の視線に気が付いてニコッと笑うミスティルさん、麗しくて色っぽいお兄さんヤバイ……ヤバイよ。
「全部美味くて好きだが、やはり一番はニホンシュだな」
片や、胡座かいて冷酒をクイッとあおる鳳蝶丸。
その御前にそっとイカ焼きを捧げる私。
ニッと笑って齧り付く漢らしさ。
白くて儚げで少年みたいなのに、何でだろう、雰囲気イケオジっぽいんだよね。
そんなトコがイイ!
2人はもうすでに全てを完璧に覚えていて、ミスティルが早速メニューを書いてくれた。
後はマッカダンさん達に覚えてもらわねば。
………沢山作りすぎた?
朝食は7時から9時まで。タープテントに来た人に提供すると言っておいたので外で待機。
メニューは4つ切トースト、ハムエッグ、コーンスープ、ミニサラダ、フルーツヨーグルト。
バター、イチゴジャム、マーマレードはご自由にどうぞ。飲み物は珈琲、紅茶、お水、オレンジジュース。
結局来たのはハイジさん達とリンダお姉さん、ミムミムお姉さん、レーネお姉さん、マッカダンさんだけだった。
エレオノールさんが朝のメニューを聞いて明日は必ず来ます宣言をしていて面白かった。
お昼はハンバーガーセット。飲み物は昨日と同じ。
バーガーは2種類で二重チーズバーガーとお魚フライバーガー。
ボリュームが足りなさそうなので、二重チーズバーガーには骨付きローストチキン、お魚フライバーガーには海老の塩焼きをセットにする。値段は昨日と同じ。
ウエイトスタッフの人数も増えたので、昨日よりテンポ良く列を消化した。
皆美味しく食べてくれたみたいで、容器を返すとき「美味しかった!」「また食べたい!」「鳥肉が尋常じゃねえほど美味かったんだが」「いや、ハンバガも最高に美味かった」「ここで海老が食えるなんて」と声がけしてくれる。
良かった!
15時少し前。
そろそろ皆の試食時間です。
雰囲気を味わってもらうため、ノンアルコールビールとノンアルコールワインを用意した。もちろん2人に試飲してもらう。
お酒が好きな2人には物足りなかったようだけれど、別物と思えば美味いとの事だった。
鳳蝶丸とミスティルが寛いでいるので私だけ外に出る。
すると、商業ギルドの職員さんが既に集まって待っていた。
「おちゅかえ、しゃまでしゅ」
「お疲れ様です」
「今夜、よよちく、おねだい、ちまちゅ」
「よろしくお願いします」
流石、商業ギルドの職員さん。とても礼儀正しいです。
「昨日の、テント、ちゅかって、くだしゃい」
「はい、ありがとうございます。では、着替えてまいります」
エレオノールさんがにっこり笑って一礼すると他の皆さんも一礼して、お着替えブースへ向かっていった。
入れ違いに冒険者の皆さんがお着替えブースから出てくる。
「………快適」
「このテント知っちゃうと、他に戻れないよ」
ミムミムお姉さんとリンダお姉さんの呟きに皆がうんうんと頷いている。
「コレ、売って欲しい。いくらでも払う」
ミムミムお姉さんが私に言った。
「魔石の魔力充填、私出来る」
「結界、ちゅいてゆ。解体、出来にゃい」
それに、空間を拡張しているから解体したらどうなるかわからないんだ。
「そうなんだよね、そこなんだよ」
ローザお姉さんが嘆く。
「うちらのマジックバッグでは流石にそのまま入らないんだよ」
「ごめんね、ロージャおねしゃん」
「あ、ゆきちゃんを責めているわけじゃないんだ。こちらこそ、ごめん」
謝りあっているとレーネお姉さんがパンッと手を叩く。
「ねえ、目標にしようよ!アタシらの目標。あのテントが入るくらいおっきなマジックバッグ見つけよう!」
「良いですわね」
「そしたら、アタシらにテント売ってくれる?」
「あい。おっきい、バック、みちゅけて」
「わかった。大きい容量のマジックバッグ、見つける」
「頑張ろうな!」
そんな話をしながら待っていると、全員がタープテントに集まった。
「お嬢が味見して欲しいと言うことだ。酒は出せんが、酒ではないエールとワインを用意した」
「酒ではないエールやワインなんてあるのか?」
「風味がそれ、だな。物足りんが何となく飲んだ気分にはなる。別物と思えば美味いと思うぞ」
「酔えない時や酒が飲めない人は楽しめると思います」
ノンアルコールビール何だけれど、エールの方が通じるからね。
と、言うことで、用意した食べ物全部を出す。
「うおお!」
「凄い豪華!」
「見たこと無いものばっかり!美味しそう!」
「い、いいんですか?これ食べて」
マッカダンさん、クララさん、ハイジさん、ピーターさんや他の人達も大興奮して立ち上がった。
「ああ、レシピ登録しないなんて勿体無い…」
商業ギルドの職員さんは通常運転でした。
「肉のおにぎりやパン、カレー、ハンバガ、どれもこれも見たこと無いし凄く美味かったけど、今日のは種類も豊富でどれを食べるか迷うよ」
リンダお姉さんが料理を覗き込んでいる。
私は食べ物の説明を鳳蝶丸にお願いした。皆話を聞きながら取皿に少しずつ取って食べていく。
「うーん、美味しいぃ」
「ほんとに。お酒ではないエールにも合って、とっても美味しい!」
「酒ではないってどんなだ?って思ったけど、かなり美味しいよ」
「あにあと」
皆さんにはどれも好評でした。
後は調査隊の皆さんが楽しんでくれると良いな。
今日の食事は面倒なので食べ放題・飲み放題セット6千エン。お酒は全種類1万エンのものを出す。
お酒販売の日は出さないけれど、飲んで楽しむためのビールは用意した。
皆さんには注文や給仕、集金を行うウエイトスタッフになってもらう。
席に着いた時点でメニューを渡し、集金。
挙手した席に行ってオーダーを取る。ちなみオーダー表は白いメモ帳で、席に番号札を置くのでその番号と料理名を書くと言う事にした。
私はお金の受け取りと、オーダー表の料理をウエイトスタッフに渡す。
鳳蝶丸とミスティルは試飲コーナーで接客をお願いした。
試飲コーナーには全種類のお酒を置いて、オーダーがあったら30mlのショットグラスに注いで出す。
ちなみにショットグラスには桜模様の硝子エッチング加工を施した。
値段は3万エン未満のお酒、1百エン。
3万エンと5万エンのお酒、3百エン。
10万エンのお酒、5百エンで試飲提供する。
ちなみに試飲コーナーと私の待機所はタープテントだよ。
エレオノールさんがビョークギルマスから食事をする場所を広げて良いという許可をもらってきたので、帆布シートをかなり広く敷きなおし、テーブルと椅子を増やし、今までよりも間隔を狭くして設置。
テーブルにはランタンと番号札を置く。ミスティルから持っていく人がいるかも?と言われたのででテーブルの真ん中に固定する。
結界も帆布シートの広さに張り直し、夜用の浮遊ランプも増やしておいた。
さあ、夜の部も頑張るぞ!
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