恋人との甘い時間

「確かめてみるか?」


「ッ…――」


 彼の甘い誘惑が俺の心を惑わした。目眩がするような幸せに浸ると、小さな声でキスをせがんだ。


「じゃあ…キスして?」


 重なった手の平を握り返すと、再び彼にキスをせがんだ。自分でも欲情の熱が治まらなくなると、今直ぐキスして欲しくて堪らなかった。



「キスだけでいいの――?」



 司は急に意地悪な質問をしてきた。俺は体を熱くさせながら答えた。


「司が欲しいよ……! キスだけじゃ足りない、俺のこと抱いて…――!」


 そう言って恥ずかしそうに涙目で訴えると、司は黙って頷いた。


「ああ、今夜は朝まで抱いてやる。俺がお前だけしか愛していないことをその身体に証明してやるよ――」


「司っ…!!」


 その言葉に気持ちが抑えられなくなると、そのまま彼に両手を伸ばして抱きついた。そして、司は優しくキスをした。


「お帰り司…――! お前がいない間、俺ずっと一人で寂しかった! 次はいつまで日本にいられるんだ…!?  もっとお前と居たいよ……!」


 彼に泣きながら抱きつくと、そのままギュッと抱き締めた。そして、寂しかった間を思い出すと涙が急に溢れて止まらなかった。



「俺もお前と一緒にいたいさ、同じだよ…――」



「ッ…司…――」



「お前が俺の鞄の中に入ればいいのに……」



 そう言って彼はボソッと呟くと、俺は思わず笑ってしまった。


「なっ、何だよそれ……?」



「いつまでもお前と一緒にいたいってことさ――」



 司は呆れた顔で優しく笑うと唇をそっと重ねてきた。そして、俺は大好きな彼の腕の中で深い愛に溺れた――。




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