司と一希
部屋の中の暗がりで一人ボンヤリとテレビを見ては、テレビに映っている同じモデルの奴らを憎んだり恨んだりした。でも、いくら憎んで恨んでも心の中は虚しさだけが広がっていた。それは自分が、世界から切り離されたような孤独感だった。
辛くて、苦しくて、悲しくて、虚しくて、俺は毛布にくるまって毎日わけもわからず泣いた時もあった。モデルとして周囲の皆に認めて貰うんじゃなく、本当は俺自身を誰に認めて欲しかったんだって、俺は心の中であの時そう思った。
メンタル面がだいぶ弱くなると、俺は周囲にそれを悟られまいとあの頃から必死で作り笑いをしていた。そしていくら辛くても、毅然にしてやると、俺は自分自身に強く誓った。他人に足下を見透かされたようではプロじゃないと、その時からどのまわりに対しても毅然と振る舞うようにした。
本当は全然平気じゃないのに平気なフリを続けた。まるでピエロだ。だけどその時は、他にそうするしか自分を保てなかった。そして、尖ったナイフように心は鋭くなり。周りを撥ね付けては寄せ付けなかった。それが心の壁ならどの相手にもそうした。でもそんな時に、俺は1年前に彼と出会った――。
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