司と一希

 

 その頃になるとメンタル面がたいぶ落ち込んでいた。あんなにチヤホヤされたのにスーパーモデルじゃなくなると、周りは途端に離れて行った。それはまるで、狐につままれた感じだった。そしてショーの出演数も徐々に減っていった。それだけじゃない。雑誌の専属モデルも何本か無くなっていった。テレビCMの出演依頼もなかなか来なくなって来た。



 スーパーモデルじゃなくなったから、みんな俺から離れていくのか?



 それからと言うもの、毎日たまりにたまった鬱憤を事務所にぶちまけた。それでもいくらぶちまけても、俺の気はおさまらなかった。そしてメンタル面が徐々に弱って行くうちに俺を見放した世間を恨むようになった――。


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