第7話 「テスト勉強」

 7月1日


 放課後、僕とさっちゃんは昨日と同じように一緒に帰っていた。そんな帰り道のこと。


「ミーくん。今日は一緒に勉強しようよ。もうすぐテストだしさ」


「いいよ。勉強頑張らないといけないからな」


 そんな会話をして、僕とさっちゃんは昨日と同じように僕の家に入っていった。


「今日もお母さんとお父さんいないの?」


「うん。最近仕事が忙しいみたいだからな」


 さっちゃんは早く親に挨拶をしたいんだなと僕は思った。

 僕とさっちゃんは、僕の部屋へ向かった。


「じゃあ、早速始めよう!」

 

 さっちゃんは、元気よくそう答えて問題集とノートを開き始めた。僕もそれを見習って問題集とノートを開いた。


「なんの教科する?」


「じゃあ、ちょっと苦手な数Aで」


「オッケー。分からない所があったら聞いてね」


 そうして、僕とさっちゃんは勉強を始めた。

 分からない所があったら聞いてと言われ、さっちゃんに勉強を教えてもらえると思ったのだが、何故か今解いている問題がスラスラとできてしまう。数Aを選んだ過去の僕をぶん殴ってやりたい。

 勉強をし始めて1時間ほど経ったが、結局分からないところは無かった。


「はー疲れた」


「早くない?」


 もっと勉強を頑張らないといけないのに、全然頑張れていない。しかし、休憩は必要だ。少し休憩をした後、また頑張ろうと思って僕は休憩をすることにした。


「さっちゃんって、学年順位何番位なの?」


「私?確か、20番くらいだったかな?」


 予想を大きく上回る順位に僕はとても驚いた。


「ちなみに、ミーくんは何番くらいなの?」


「エ?ボボボボクハヒャクサンジュウバンクライダヨ...」


 自分の順位を言うのが恥ずかしくなり、片言の上、小さな声で言った。


「そ、そうなんだ」


 恐らく聞こえてはいないが、察してくれたのか追求されなかった。

 10分程休憩した後、僕は勉強に戻った。

 その後、結局分からなかった問題は無く、たださっちゃんと2人一緒にいて勉強するだけの時間が続いた。それも良かったが、やっぱり何か教えて貰いたかった。最終的に、3時間勉強していた。


「1時間くらいで疲れたって言った割には結構頑張ったね」


「頑張らないといけないからな」


「じゃあ、もう暗いし私帰るね。あの、家まで送ってくれる?」


「全然いいよ」


 まあ、歩いて数秒しかかからないけどね。そう思いながらも、僕はさっちゃんを家まで送った。


「じゃあ、また明日ね。バイバイ」


「バイバイ」


 次一緒に勉強する時は、ちょっと苦手な教科じゃ無くて、めちゃくちゃヤバいくらい苦手な教科にしようと僕は心に決めた。


 7月1日———終

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