天間荘殺人事件

鷹山トシキ

第1話

 天間荘の4階に住む阿川夫妻が食事中に銃を持った暴漢に襲われる。夫の阿川一郎は死に、妻の有希江は重傷。だが、現場は密室なのに、犯人の姿は忽然と消えていた。続いて阿川家の召使い夫婦の妻が密室で殺され、夫も別の密室で殺される。阿川夫妻の親戚の恵比寿も密室で毒殺されかける。

 さらに、私立探偵の小笠原克也も密室で殺され、恵比寿も今度は殺されてしまう。

 私立探偵の菊池邦子は恵比寿って哀川翔に似てるとふと思った。

 有希江は窓から助けを求めているときに背中を撃たれる。窓の奥では2人の男が揉み合ってる姿が。それを目撃した人々が4階に上がると、ドアは閉まっていて、中では格闘の音。続いて銃声と阿川一郎の悲鳴。

 このときは生きていた召使いの佐藤圭一が合鍵を使って入ると、有希江は背中を撃たれて重傷で、阿川は絶命。しかし、玄関以外の唯一の出口である使用人専用階段へのドアは閂がかけられていた。合鍵で入る直前まで部屋の中にいた犯人は、どこへ消えたのだろう?邦子は疑問に思った。


 邦子は以前にもここで殺人事件があったことを小笠原から聞かされていた。

 小笠原は童話でも話すように邦子に教えてくれた。


「天間荘、優雅な邸宅の一室。夜の静けさが部屋に満ち、豪華な装飾と重厚な家具が静かな照明に照らされています。窓からは月明かりが差し込む。


 寝室では、富豪である大地主の藤原悠一が床に横たわっていた。彼の冷たい死体が血の海に浸かり、その顔は驚きと苦痛に歪んでいる。


 部屋の中には様々な人物が集まり、警察が容疑者たちを尋問しています。藤原の美しい妻、不動産開発業者の竹内、そして長年の使用人である佐藤。それぞれがアリバイを主張し、真相は闇の中に埋もれていく。


 しかし、鋭い探偵である松岡刑事が事件の裏に潜む秘密を暴くために動き出します。謎めいた手紙や秘密の関係が浮かび上がり、天間荘の壮大な殺人事件は、深淵なる謎に包まれたまま、物語は進展していくのでした」


 小笠原は続きを語らぬまま死んでしまった。


 

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