10万文字というボーダーラインについて
山葵
10万文字に関する私の見解
※この創作論は、人によっては苦しい現実を突きつけられるものになります。もしも【10万文字】という言葉に幻想を抱いていたら、気をつけて読むか、引き返すことをオススメします。
作家の皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
私はなんの権威も実力もない、ただの一般人です。
しかし少し抜けた要素があります。それは【文才】でした。
子供の頃から国語力が高いとされ、それで進学も有利に進んだために社会人になってからも文才を活かしたいと考えていました。
そこで目をつけたのは【web小説投稿サイト】。その中でも最も魅力的に映った【カクヨム】様で投稿を開始することにしました。
多少は【ライトノベル】というモノに対する知識はあったのですが、全てを知っているわけではありませんでした(今でも何がウケるのかわかりません)。
そこで一つ、指標になったのは【カクヨムコンテスト】の必要文字数である【10万文字】でした。
「10万文字? そんなに書いたら、かなり読まれるだろ」
そう思い執筆を開始。
10万文字まで書き、人気が出たらいくらでも引き伸ばせるストーリー構成にして、輝かしい未来を想像しました。
「俺はすごいことをした。これの対価が楽しみでしょうがない」
とても、とても心が充足していました。
何かがおかしいことに気がついたのは、5万文字ほど公開した時点からのことです。
……あまりにも、読まれていない。
「まあ、慌てる時間ではない。ある日唐突に伸びることだってあるんだから」
そう言い聞かせながら、後日、ストックがなくなる10万文字ほどの時点でPV数を確認。
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PV 27
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「……(文字で表しようのない発狂)」
はい、こちらが10万文字の現実です。
かけた時間は100時間ほどでしょうか。
以下、約100時間でできることをいくつか並べます。
・東京駅→新大阪駅まで休みなく歩けば106時間ほどで移動できる。
・最低賃金が最も低い岩手県(最低賃金の時給893円)でも、100時間働けば89,300円稼げる。
・ポ◯モンで、理想個体のモンスター達を1パーティー分作成できる。
・ダ◯の大冒険で、仮に
・某作家様が作家になるために努力したこととして【ランキングの1位〜100位】を読んで市場を分析して流行を完全に把握。【読まれる作品】の極意を身につけ書籍化したというものがあるが、100時間あれば(読まれる作品を書けるかはわからないが)真似できる範疇となる。
……ネタ的なモノから実用的なモノまで、例を用意しました。
私は、これらのことができた時間を、将来30回未満しか読まれないライトノベルを10万文字書くことに使ってしまったのです。
……私の時間は、私が面白いと思って書いていた作品は、カス以下のモノでしかなかったわけです。
勿論、宣伝が足りなかったりとか、そもそもお前ネームバリューないじゃんとか、そういった問題点はありました。
しかし、『それらの問題点さえ超えてしまうのが【10万文字】なのだ』と躍起になっていた私は、突きつけられた現実に苦しみ、心が
10万文字も書けないと嘆く作家様方へ伝えたいことは、あまり多くありません。
【10万文字を書いたら偉いなんてことはない】
【大事なのは中身と掴みであって、文字量ではない】
これだけです。
ここに、10万文字書ける力を持ちながら30回未満のPV数しか得られなかった底辺がいます。
どれだけ苦しい状況になっても、私より下に落ちることはとてつもなく難しいことです。
どうぞ、夢、希望、大志を持って執筆を進めてください。
あなた方の書く作品は、どんなに拙かろうと私の作品よりはマシなのですから。
10万文字というボーダーラインについて 山葵 @MOKAC
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