黒闇天女と吉祥果

七星剣 蓮

第0話 夜叉

 「ホギャーホギャー」

 赤ちゃんの元気な鳴き声が聞こえる。


 「よしよし、お腹空いたのかい、いまお乳あげるからね。」


 着物をはだけて乳房を出して赤ちゃんに含ませる。

 菩薩のような柔らかい表情で愛おしそうに赤ちゃんに視線を向ける。


 突然、その視線は消失したのだ。


 顔半分飛ばされた母親は仰向けに棒倒しの棒のように転倒し地面でバウンドする。


 赤ちゃんは真っ赤な雨を被りながら何事もなかったかのように乳を吸い続ける、


 母親の腕はしっかりと赤子を抱きしめて離さない。しかしは恐ろしい力でその腕を引きちぎる。


 は蜂の子でも食べるように小さな肉塊エサを捕食し満足そうに去る、後は何事もなかったように辺りは静寂が戻った。

 

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