第5話 前世のあなたへ
ーーー祈織。聞こえる?ーーー
『龍?』
うたた寝してたわたしは愛しい人の声が聞こえて目を覚まして辺りを見渡したが誰もいない。確かに愛しい人の声が聞こえた。しかし誰もいない。ついに幻聴が聞こえてしまったの?
ーーー祈織は相変わらずだね。ある方法で前世のあなたに話しかけてるの。前世の私には内緒ね♪それと祈織の力なら気づいてると思うけど。私は正真正銘の龍耶だよ。ーーー
『うん。本物の龍耶だって気づいてるよ。それでどうしたの?』
ーーー前世の私の事なんだけどね。自分一人で背負い込む癖があるから気にかけて欲しいの。愛龍母さんがそうだった様にね。愛龍母さんはシオン母さんがずっと側にいて愛龍母さんを気遣っててどうにかなったけど…。それ以上に前世の私はあまり自分の事を言わないのよ。だから前世の私に最も近いところにいる前世のあなたにと思ってね。祈織、あなたなら前世の私を救ってくれると信じてるの。どうか前世の私をよろしくね。今日はここまでしか話せなくてごめんね。ーーー
『ううん。大丈夫だよ。わざわざその話をする為に私を頼ってくれたのは嬉しいから…。この世界の龍耶が自分を追い詰めて何かしでかす前に心の内を聞き出して楽にしろって事だね。わかった!わたしにしかできない事だもんね!まかせて!!』
ーーーありがとう。あなたに会えて本当に良かった。こっちの世界の祈織は私と居て本当に幸せな表情してるからこの未来(せかい)の為にも。前世の私が間違えた道に行く前に止めてあげて。よろしくね。前世の祈織ーーー
『未来のわたしと龍の為にもこの世界の龍の為にもわたしが救ってみせる!!』
ーーーやっぱり私の祈織だね。それじゃそろそろ時間だから。前世の祈織と私の未来に幸あれーーー
わたしは完全に目を覚ました。さっきのはなんだったんだろう…。でも、この世界の龍が何かしでかすのはわかった。それを止めるのはわたししか居ない。それだけ分かってれば大丈夫。
龍、あなたが過ちを犯す前に必ずわたしが止めるからね。この命に代えてでも…。
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