異世界には美少女どころか空気すらなかった
@atfc
第1話 チートスキル選択
気が付くと光に包まれたような何もない空間に居た。神的な存在が説明してくれているが、高次元すぎて半分も理解できない。どうやら俺は死んでしまったようだった。あまりパッとしない人生だったとはいえ、悔いがないとは言えない。しかし、話を聞くうちに悔いよりも期待の方が高まった。異世界転生することになったのだ。いや、生前の肉体のままだから転移だろうか。しかも、チートスキルやチートアイテムが貰えるのだ!それも1つや2つではなく多数貰えるのだから、期待が高まるというものだ。
スキルやアイテムはポイント制の様で、強力な能力ほど高くなっている。高いといっても比較的にだ。1つあれば主役を張れるものがいくつも買えてしまう。なぜこんなに貰えるのだろうか?生前の行いが良かったのか?死因に神的な存在の過失でもあったのだろうか?その理由を聞いても理解できないだろうし気にしても仕方ない。それより今はスキル・アイテム選びだ。選択肢は無数にあり悩んでしまうが、ここは時空を超越した場所だ。時間はいくらでもある。よく考えて決めよう。
どれほど時間が経っただろうか。吟味に吟味を重ね、あらゆる状況に対応できる構築ができた。これだけあれば美少女ハーレムを築くのもあっという間だろう。もしこれが小説だったら何の山場もなく駄作もいいところだ。
さて、次はいよいよ転移だ。そういえば、スキルやアイテムのほかに、転移先の選択にもポイントが使えるとも言っていた。しかし、準備は万全だ。どんな世界だろうとやっていける。転移先にポイントを割り振る必要などないだろう。神的な存在に別れを告げて転移した。
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