15.おかわり頂戴

 ギルドカードを受取りながら外でも問題は起こしたらダメでしょと思いつつも受取ったので、出ようと思ったけど、途中で手に入れた魔石ここで売ろうと思ったけど、凄い睨まれてるから後日来よう、次は教会に行ってみよう。


「楽しかったですね、私達がギルドカードを作る時はあんなトラブル起きなかったからですね」


「普通はあんなトラブル起きないのが普通なの」


 凄く楽しそうに勇者一行は笑ってるけど、後日ギルドに顔出すのが不安だ。


「次はロゼッタお姉ちゃんの教会に行くから問題は起こさないでね」


「私達はそんなに問題なんて起こしてないです」


 何だか凄い自信満々に言ってるけどさっきの事忘れたのかな。


「私達は過去を振り返らないので」


「ご主人様、教会が見えてきました」


「綺麗な教会だな、王都ではボロボロだったからな」


 近づいたら子供達が教会の敷地内に居るのが見えるから教会に住んでる孤児の子かな皆元気そうで良いな。


「兄ちゃん達教会に用事なのか、そしたらシスター呼んでくるぞ」


「そうだよ呼んてきてもらえるかな」


「ちょっと待っててな」


 そう言ってから元気に走って行ってしまったけどほんとに元気だな居心地良さそうだ。


「シスターお客さんだよ急がないと」


「すみません、お待たせしました」


「いえ、そんなに待ってないので問題無いですよ」


 若い女性の人が一人やって来たけど、他にも居るのかな。


「本日はどうされました」


「すみません、コレで来ました」


 前にロゼッタお姉ちゃんに貰ったやつをシスターに見せると、慌てだして。


「御遣いの方でしたすみません」


 急に謝られてしまったので驚いたがそんなに偉くもないから普通に接してほしいな。


「そんなにかしこまらなくても大丈夫ですよ、そんな大層な人物じゃないので」


「そんな訳にはいきません御遣い様が来られる事なんて滅多に無い事なのですから」


「お願いですから普通に接してください、この町に居る間だけでも良いので少し場所を貸してもらえませんか」


「こんな場所でよろしければ好きに使ってください」


「シスターどうしたの急に改まって」


 さっきシスターを呼びに行った子供がやって来てシスターに話しかけてるけど、シスターあたふたしすぎて行動がおかしくなってないか。


「こら、御遣い様の前ですよ」


「さっきは呼びに行ってくれてありがとね、コレ皆で分けて食べると良いよ」


「ありがとな」


 持ってたチョコバーを全部渡したからみんなで分ければ足りると思うけど、また何か後で渡しておこうかな。


「シスター後ですね、場所を隠してもらう時にロゼッタお姉ちゃんから教会の人達と教会に来る人に料理を振舞ってほしいと言われてるので料理を振舞っても良いですか」


「料理を振舞って頂けるのですか」


「そんなに凄い料理ではないのですが」


「皆とても喜ぶと思いますので是非お願いします」


「ならこの町に滞在する間料理を振る舞いたいと思いますのでよろしくお願いします」


 無事に話がまとまって良かったとおもっていたけど何だかリンに勇者に一行が静かだと思ったら全員で子供達と遊んでるし、まぁ問題は起こしてないから良しとしておくか。


「美味しい食べ物あげるぞー、そんなしょぼい聖剣を見るより良いからおいでー」


 何時ものたい焼きを売る時の屋台を出してたい焼きを配り始めたら子供達が全員屋台の方に来たから勝ち誇ってたら、勇者が頑張って気を引こうとしてるけど、聖剣の見せかけと同じくショボさに気が付いた子供達は見向きもしなかったから、むしろ可哀想になってきたな、勇者以外の皆は、屋台の方にきて配るのを手伝ってくれるので助かるな、だからつまみ食いしてるのは気が付かないふりしておこう。


「美味しいかー、後でご飯も作って出すからな期待してて良いぞ」


「兄ちゃん美味いぞ、もっと食べて良いの」


「程々に食べてねご飯も作るからね」


「本当に良くしてくださってありがとうございます、御遣い様」


「シスターそんな大層な人じゃないから普通に接してくださいよ、それにしてもここは一人で管理されてるのですか」


「はい、今現在は私一人で管理してます、足りない所は教会に来てくれる町の人達が手助けしてくれたりもしますので」


 居心地の良い教会だから地域の人達も好きなんだろうな。


「シスター今日は、凄く賑やかだけどなにかしてるのかい」


「どうも、今食物を無料で配布してるので良かったら近所の人を誘って来てください」


 その後は、食べて満足した子供達の手伝いもあって近所の人達にも配り終える事が出来たけど疲れたな。


「ご主人様疲れたなのです」


「リンはつまみ食いに忙しかったからな疲れただろね」


「つまみ食いは二回しかしてないなのですそれ以外はちゃんとお手伝しましたなのです」


「冗談だよ、リンも頑張ってるのは、見てたから知ってるよお疲れ様」


 流石に勇者一行も勇者以外は疲れてるみたいだけどな、それにしても勇者は手伝いもしないで何してたんだ。


「リン、疲れてる所悪いんだけど皆のご飯の準備を手伝ってもらえないかな」


「良いなのですよ」


 リンが手伝ってくれるそうなので、食べ盛の子供が多いからハンバーグを作ろうと思うけど沢山食べるだろうし多めに作らないとだな、リンにも手伝ってもらえば早めに終わると良いんだけどな。


「おーいお前たち、真の聖剣を見せてやるぞー」


 突然忙しかった時姿を見せなかった勇者が何やら聖剣を見せると言ってるけどまたあのプラスチック製の剣を出すのかね。


「えー、あのショボそうな剣なんだろもう見なくて良いよ」


「アレから進化したんだ今度こそ憧れて欲しくなるような剣を出せるんだぞ、見れるのは今だけなんだから見なくて後悔しても知らないぞ」


「そこまで言うなら見てやるぞ早く出せよ」


「見ておけよ散々バカにした事後悔さてやるからな」


 そこから勇者はやたら気合を入れながら剣を出そうとしてるけど、やっぱり出す時の演出は凄いんだけど剣はどうなる事やら。


「ご主人様、あれ周りに被害とか出ないですよね」


「危なない時は魔法を撃ちこんで止めれば大丈夫だろうし、様子を見てみようと思うよ」


 やたら派手な演出の後見えた聖剣は、プラスチック製のおもちゃの剣ではなくしっかりした普通の剣になっていたのが驚きである。


「ご主人様普通の剣になってるなのです」


「凄いねあれなら魔物とも戦えるかな、それにしても何で急に剣が変わったんだろ」


「あれはな、召喚する人物のイメージなどに左右されやすいんだよ」


「急に出て来ないでよベルお姉ちゃん」


 疑問に答えてくれるのはありがたいけど急に出て来るのは心臓に悪い。


「そもそも、甘い物作ってくれる約束だったし作ってるのか見にきたんだよ」


 そういえばそんなふうな流れになってたな、料理が出来たら食後のデザートに作る時に一緒に作ろうかな。


「ある程度料理にメドがついたら作る事にするよ、今回は、皆で食べるデザートにイチゴのショートケーキを作る事にするよ」


 そう言うとベルよりリンの方がめを輝かせて期待してるけどその輝き魔力が集まってるよねヤバイよね。


「リン落ち着いて目に魔力が集まってる」


「ごめんなさいなのです、期待したら気付かないうちに」


 ギルドの一件で、不安定になっているのかな少しの間注意して見ておかないとかな、りんの事だから食事したりしたら治りそうだけどな。


「こっちはケーキを作るからリンはそのまま作業を続けてね」


「はい、なのです」


 手伝いができる時には手伝ってくれていたので、動きはぎこちないがリンに任せていても問題は無さそうだからこっちも急ごう、それなりの数を作らないとだしな。


「ご主人様作業全部終わりましたなのです」


「ありがとう、こっちも最後の仕上げに苺を乗せたら終わりだよ」


「この大きいケーキ一人一個なのですか」


「すごい事を言ってるけどこれからカットしてから一人一つ配っるんだよ」


「大きくないと足りないなのです」


「そんな風に言うと思って別に用意して有るから安心していいよ」


「ありがとうなのです、ご主人様大好きなのです」


「はいはい」


「何でそんな返事になるなのですか」


「皆んなにご飯出すから運ぶのを手伝ってねリン」


「はい、なのです」


 少し不貞腐れてるけど、リンはしっかり手伝ってくれたので有りがたかった。


「皆集まれーご飯できたぞー」


 大きい食堂にみんなが集まってきてそれぞれの席に座ってくれたので暇そうな勇者一行にも配膳を手伝ってもらい皆の前に料理が行き渡った。


「それでは皆さん神と御遣い様に感謝して食事にしましょう」


 その後皆で簡単な祈りをした後に食事を始めた。


「何だよこれ初めて食べたけど美味しいぞ」


「おかわり用意してあるから焦らずに食べてな」


「リンや皆は先に一緒に食べてて良いよ、ロゼッタお姉ちゃんとベルお姉ちゃんにも食事を持って行くから」


「はい、なのです」


 その後キャンピングカーに移動して皆の前に出ると騒動になる二人に食事を持って行って、その時に食後に出す予定の苺のショートケーキではなくホールケーキをそれぞれ一人一個の予定で二個置いてきたので皆のトコロに戻って来たけど、皆よく食べるな作った分で足りるかな。


「ご主人様早く食べないと無くなるなのですよ」


「無くなったら後から別に食べるから良いよ」


「ならご主人様の分貰いますね」


 そう言ってリンが食い尽くしていってるのを眺めつつ皆が食べ終わるのを待って食後のデザートを出しますかね。


「みんな、食後のデザートを持って来るよ」


 皆は座ったまだが、落ち着きなく待ってるので急いで配ることにして皆が期待の目でみている。


「ご主人様何で小さいケーキなのですか」


「それは、リンが料理を俺の分まで食べてたし、そこまで食べられないかと思ってさ小さいのにしたんだけど」


「ご主人様勝手に食べたのは謝りますから大きいケーキが良いなのです…」


「無理しなくても良いんだよリン」


「いじわるしないでくださいなのです…」


 意地悪してたらリンが泣きそうになってきたので後で渡す事を伝えないとな。


「リンここじゃ皆が居るからね、後で渡そうかと思ったんだよ、ならこのカットした苺のショートケーキは要らないかな」


 リンの前にあった苺のショートケーキを回収しようとしたら本気で怒って魔法をだそうとしたので回収をやめて危ないので、急いで勇者の後に隠れて盾にしたけどケーキが食べられると分かったからか落ち着いてくれたようだ。


「あの、絶対に俺の事都合の良い盾だと思ってますよね」


「そんな事思ってないよ主人公の勇者(笑)だなって思ってるよ」


「ご主人様、さっきのお詫びとしてご主人様のケーキも貰っておきますね」


 リンがニコニコしながら二個目のケーキまで食べだしてたけど、他の皆も一食べてはしっかり味わいつつ食べてくれていたそしてとても嬉しそうだ、あの表情を見ると頑張って作って良かったなって思うんだよな。


「ごちそうさまでした」


 皆しっかり味わって居たが食べ終わって使っていた食器をそれぞれで片付けだしていたので、キャンピングカーに戻ってこっちで食べていた二人の様子をケーキを貰うために腰に引っ付いたリンを連れて見に来たけどどうなってるかな。


「二人共食べ終わりましたかー」


「まだ足りないわよケーキのおかわり頂戴」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る