2024.01.04(木)
2024.01.04(木)
日が替って、朗読するという約束を彼女としていたので、寺田寅彦さんの随筆をいくつか読むことにした。わたしが見ていたのは岩波文庫の『寺田寅彦随筆集』(全五巻本)で、一つ目は「コーヒー哲学序説」にした。わたしも彼女もコーヒーを好んでいるので、彼女が寺田寅彦さんを知る取っかかりに適しているのではないかと思っての選択だった。まだあまり日本でコーヒーが飲まれていなかった時代からのことが書かれてあって、現代とはまったくちがったコーヒー観が展開される。とはいえ、コーヒーのあの匂い・風味、これに喚起される情感は過去も現在も共通のものがあるであろうから、昭和ゼロ年代に書かれた内容であっても〈これはわかる〉という共感を得ることができて面白い。
二つ目は「田園雑感」。これは田舎人と都会人を対比した文章が冒頭に来ていて、これを読んでみた。田舎は人のすることにしょっちゅう容喙してきて放っておいてくれない。他方、都会は人のすることにほぼほぼ無関心で、何をしようとも放っておいてくれるのがありがたいと書かれる。でもいまわたしは田舎に住んでいるけれど、だいたい周囲とは隔絶しているから田舎に住みながらどこか都会人の中に暮らしているような気持ちもないわけではない。とはいえ、親世代を見ていると、あ、あそこにどこどこの家のだれだれさんがいるとか、あそこの家の娘さんはどこそこに嫁いでいる、出戻ってきたとか、車で行き会っても、あそこの家の人だわ、といって気にしすぎている。わたしなんて、人の顔を見てもどこの誰なんだか、まったくちんぷんかんぷんなんだけどね。それくらい近所の人の顔も知らなかったりしているんだけど。
三つ目は「怪異考」。怖い話、ちょっと怪しい話、これを物理学者としてどのように捉えるのがいいか。現代の科学と、怪異譚とのあいだに、どのような橋渡しをするのがいいかといったところが探られている文章だと感じる。
以上三篇をVC越しに、彼女相手に朗読してみた。三篇とも気に入ってもらえたようでよかった。
その後、フランス語の発音を聴きたいといわれたので、ネットにあがっている〈フリカッセ・ド・ヴォライユ〉(鶏のクリーム煮)のレシピを上から順番に読んでみることにした。ふだんと異なる発音をするから彼女も聴いていて興味をそそられるらしい。わたしもふだん生活していると、もうフランス語を話す機会がほとんどないから、こういうのはけっこう面白かったりする。
その後、音楽鑑賞会――。互いに面白いと思っている音楽を言い合って、YouTubeで一緒に音楽を聴くというもの。わたしはしょっぱなに、ロッド・スチュワートの「マギー・メイ」を出した。それからElise Trouw の「Burn」を紹介する。マギーメイは懐かしく、Burn はPVが面白いから見てみてほしくて紹介した。内容が気に入ってもらえたようでちょっとうれしかった。
彼女のターンでは、Destiny's Child の「Lose My Breath」。黒人ボーカリストのしなやかな身体性を感じさせる歌い方ってすごいよねという話になった。
それを受けてわたしは Eternal の「Power Of The Woman」を紹介する。黒人の女性ボーカルで気に入っているアーティスト。十代のころから聴いていて、耳なじみになっている。
そして彼女からは Janet Jackson の「Rhythm」が出された。なんと彼女が子供のころ、このPVを見て、真似して踊ろうとしたことがあったらしい。かなり動きに切れがあるけど、これを真似してみようと思うアグレッシブなところがあるのすごいと感じた。わたしは歌も踊りも真似してみようなんてぜんぜん思ったことがなかったなと自分と比較してしまった。
(そんなわたしが文章を読むだけではあきたらず、実際に小説を書くようになったのはどんなめぐりあわせだったんだろうといまでも不思議に思うのだけどね。)
その後、私のターンがつづく。Kylie Minogue 「The Loco Motion」、Earth Wind & Fire 「September」、ピチカート5「東京は夜の七時」、Deep Forest「Comparsa」「Boheme」、Saint Etieene 「Tiger Bay」、Air Supply 「Vanishing Race」。
どれもいい音楽だと思ってもらえたようでよかった。
そして彼女からラストの音楽のインディアンつながりで、映画『ラスト・オブ・モヒカン』の音楽を紹介してもらった。映画のシーンを映しながらの動画だったので、未鑑賞のこの映画自体を観てみたくなってしまった。
これで音楽の時間は終わり。
その後、昨日に引き続き、斎藤紳士さんの「2024年の文庫本本棚紹介②」を視聴する。今回はW村上本から始まった。村上春樹さんよりも村上龍さんの本の方が多かったのは斎藤さんらしいかなとちょっと思ってしまった。わたしは春樹さんは結構読んだのに、龍さんのはまだ一冊も読んでいないという状況。『コインロッカー・ベイビーズ』とか『限りなく透明に近いブルー』とか、持ってはいるんだけどなかなか読もうという気持ちに持っていくのが難しくて。
他人の本棚を見るのは面白い。自分の持っている本、持っていない本、関心のなかった本、持ってないけど関心のある本。どんな内容なんだろうと想像力が掻き立てられる。他者のラインナップに接すること。こういのは、いい刺激をもらえるからうれしい。
その後、おすすめ欄にあがっていた、〈世界の料理ショー「ロールビーフステーキ」〉を見てみた。んー、海外の料理番組なんだけど、トーク部分の日本語翻訳が、どうも〈六丸〉さんの動画っぽくて、あと料理を作りながら話される感じはどこか、〈SUIJIBA の GEN〉さんぽいなあと。これらお二人の動画との関連性を見つけて、これはこれで一つのフォーマット、定番化したネタだったのかもしれないと思うようになった。肝心の料理はどれだけバターを入れるんだというくらいに、オリーブ油分野でのこの種のオーソリティ、もこみちさんといい勝負だなと思うわけでもあった。
3時半――彼女が2chのスレッドを見てみたいというので比較的落ち着いている文芸板の、大江健三郎スレッドを紹介した。彼女は初めて見たらしく、かみ合わないそれぞれの発言の羅列、ちょいちょい煽りや文句をつけないと一つも発言できない人がいることだったり、これは社会の縮図だよねということで意見の一致を見るところとなった。大江さんの話をしに来ているのに、大江さんを否定することに血道を上げている人がいるという状況について彼女が疑問を呈していた。いわれてみれば確かにそうだなと感じる。普通に受け止めていたけれど、否定したいがためにわざわざページに飛んでくる人は、実際、何がしたいんだろうかと。他者との議論を深める中で何か自分の中にプラスになるものを得られればといったようなポジティブな姿勢とはほぼ真逆だなと感じてしまった。
4時、おすすめ欄にあがっていた〈Eurovision Song Contest〉の月間視聴ランキング12月度を彼女と一緒に見た。2023年の Grand Final は一人で見ていたけど、2024年は二人で見られるといいな。
その後、〈怪談説法〉というのを教えてもらう。
法話にもいろいろあるんだなと感じられた。
その後、カレーを食す。
〈ディナーカレー〉の残りを温めて、もち麦を混ぜ込んで炊いたご飯と一緒に食す。もち米は地元の企業のPB商品。白米に一袋入れて一緒に炊けばいいよという商品だった。食べた感じ違和感もなかったけど、もうちょっと違和感のあるくらいの硬めの方がうれしかったまである。
6時、寝落ち。7時50分、覚醒。
そのまま歯磨きして本格的に寝ることに。
彼女は日中、従姉と会うために外出するらしい。事前に聴いていたのに夜中ずっとお付き合いさせてしまって考えなしだったなと反省させられた。大丈夫かな、きつくないかなと心配してしまう。
わたしはそのまま就寝。昼1時50分起床。
日記を書いて、3時、玉のそばを2袋茹でる。
わさび多め、ネギと刻みのりで。
食後、入浴。
ひさしぶりに一人の時間。PS5で『残月の砂宮』を遊ぶ。前回二人お亡くなりになって、一人は生き返らせたけど、もう一人がそのままになっていた。今回はこのキャラの蘇生代金を貯めるための探索行になった。とはいえ、もう一体つくった侍がレベルアップするごとにHPもすこしずつ増えていって、生き返らせようとしている侍キャラよりも強くなりそうなんだけどどうすればいいだろうか(笑) 蘇生させてもベンチをあっためてもらうことになるかな、んーむ。そして二回ダンジョンを往復して5,000銀を貯める。蘇生費用は4,500銀。さあ、審判のとき、とボタンを押す。祈る。
〈ささやき - いのり - えいしょう - ねんじろ!〉
ゲームがちがうけどね(笑)
(ほんとネットは検索すると(けっこう)なんでも出てきてくれるから助かるね。)
そして、灰にならずに無事蘇生。結果、二キャラとも復帰することができてよかった……。
4時半過ぎ、わたしの夕方の蕎麦の写真を見て、Xのフォロワーさんも蕎麦を食べたいと思ってくれたらしくて、わたしの名前も出してつくった蕎麦の写真をポストしてくれたのがうれしかった。ありがとう、タジケンさん!
その後、彼女が外出から帰宅する。お昼に外食する予定だったのがやってないところが多かったらしく、結局ファミリーレストランに落ち着いたらしい。彼女が写真を送ってくれたチーズハンバーグがおいしそうだった。
その後、伊集院さんの『深夜の馬鹿力』の過去回――2003年06月23日を流しながら目をつむって休む。6時前には目が覚めるかなと思っていたら、出勤直前の6時半、目覚ましが鳴って起きることになった。けっこう疲れていたらしい。
6時半、仕事へ。
仕事の休憩時間に、ローダンの60巻の後半部を読んでいた。
爬虫類型の生物が、ベーコン苔の胞子の偵察船、播種船から採集船といった三タイプの宇宙船を作ったらしい。その形状も、思考方法も二次元平面的なものがベースになっているという設定、面白いと感じた。いまはもういなくなってしまったけど、どんな社会を営んでいたんだろう。そろそろ長くなってきた60巻の読みも終えることができそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます