お兄様。夢の中なら何をしたって合法なのです!

日々菜 夕

第1話

 【雛視点】


 私に、お兄様ができる事になりました。

 理由は、単純にお母様が再婚する事になったからなのです。

 そして、そのお兄様の寝込みを襲うために。

 今、私は――お兄様のベットの近くで笑みを浮かべております。


「お兄様、ひなと一緒に素敵な夢を見るのです」


 小さく言葉をこぼすと同時にベッドに潜り込み、お兄様の温もりを抱きます。

 あぁ……

 そう遠くない未来。

 この、腕に抱かれるのかと思うと嬉しくてしかたがありません。

 身体の芯がぽかぽかしてきて、とても幸せな気分なのです。

 でも、ここからが私たちの本領発揮。

 現実味のある理想的な夢を構築し共有すること。

 まだ一度も試したことはないけれど……

 きっと上手くいくはずなのです。

 だって私は、お母様の娘なのですから。


「では、お兄様。雛がんばってお兄様を満足させて魅せるのです!」


 小さくも強い意志を込めた言葉と共に目をつぶって心の奥底で繋がるための力を発動。

 あれれ……

 お母様から聞いていた話とちょっと違うのです?

 何やら強い意志の様なものに引っ張られるような感じで。

 私は、お兄様の夢に引き込まれていったのです。 

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