初めての戦闘
あーあ、なんで、俺はこの学校に入ってしまったんだろうかと、ぶつぶつ。入学式だと言うのに警報のサイレンが鳴り響く。そして、俺はもうすぐEsserの餌になるところです。
―2時間前の話―
入学式が始まる少し前に体育館の近くのトイレに行くとその時大きな警報が鳴り響いた。俺は、急いでズボンを履くがその時にはもう、逃げ場は無くなっていた。どこに行こうがシャッターやドアは閉まっており殴っても蹴ってもびくともしなかった。「あ、これ、俺死んだ」と呟き、廊下をとぼとぼと歩いていた。しかし、そう思ったのも束の間で装備をした男子生徒と女子生徒が武器を持って助けに来てくれた。きっと先輩だろう。
「そこの君!大丈夫か!?」
男に声をかけられたが、あまりにも安心しきって声が出なかった。今の俺には頷くことしか出来なかった。
「そうか、良かった。それなら、今から安全地帯まで誘導するから俺たちについてきてくれ」
「こちら、レージュ。警報区域に新入生1人発見しました」
『了解、』
そう言って俺を囲み連れていってくれた。しかし、そんな簡単なものじゃない、ここは警報区域、あちらこちらからEsserは襲ってきた。はじめは、1匹、2匹と少なかった。だけど、それが10匹15匹と増えていった。そして、俺を助けに来てくれた生徒も1人また1人と怪我をしていった
「遠距離班、援護を頼みます」
「了解」
「接近戦開始まで5秒、4秒、3秒、2っ」
「おい!大丈夫か!?」
「お構いなく、接近戦開始!」
女も男も関係ないEsserは襲ってくる。俺はただ、見守る他無かった。あの夢の中みたいだ。そして、1年次は守られるこの命、しかし、この場合、俺のために先輩方は命を張るのだそれは、いいのだろうか。
「Abgeschlossen(完了した)」
上手く聞き取れない言葉が響いた。
「怪我はありませんか?」
「は、はい!大丈夫です。ありがとうございます」
返り血なのか出血なのかよく分からない血が先輩の服装を汚していた。
「.........。先輩方はなぜ、闘うんですか?なぜ死を覚悟で俺を人を守るんですか?」
言ってしまった。言い終わった後にすごく後悔をした。前言を撤回しようとした時、1人の先輩は声を出した。
「…俺も、初めそう思ったよ。けど、この学校で学んで戦って色々学んだ。俺も
その言葉に心を打たれた。俺は、そんな覚悟を持てるだろうか。静寂が俺の身を包んだ。
どれくらい歩いただろう。他愛もない話をしながら歩いていた。
「いいか、この直線の先に本部がある。これを本部のやつに見せることいいな?」
そう言って緑色のリボンを俺の手首に巻き付けた。
「321で走れいいな」
軽く頷いた。
「さん、に、いち、走れ!」
俺は前だけを見て走った。後ろを振り向かずに、悲鳴、指示、沢山混ざった声は俺の心を不安にさせて行く。そして、本部前につくとドアは閉まっていた。開けてくれるように頼んでも誰も開けてくれなかった。理由はすぐにわかった。俺の真後ろに張りつめた笑顔のEsserが居たのだ。そして、冒頭に戻る。俺は、死を覚悟して目をつぶった。体が熱くなった。けど、意識はハッキリしていた。目を開ければ、さっきまで一緒に話していた先輩だった。
「
「……よっ、かった。無事か」
「涼蓮先輩、怪我してます。手当しましょ」
「いい、……おれは、まだ、戦う」
「やめてください、もう、やめてください!!」
周りを見れば腕が吹っ飛んでたり、脚が吹っ飛んでたりしていた。まだ、意識があるのは涼蓮先輩とほか2人そして、ここから、生きて脱出する方法は俺が戦うだけ。そうだ、俺が戦うんだよ。命より大事なもん守るためにな。もう、息をしていない先輩の近くに行き「先輩、銃貸して頂きます」「先輩、太刀貸して頂きます」と声をかけながら敬意をはらいながら前に立った。
「涼蓮先輩、いままで(助けてくださり)ありがとうございました」
「Barriera di trattamento(癒しの結界)」
太刀を腰にさし銃を持ちEsserに向かった。涼蓮先輩の止める声や先輩の止める声が聞こえた。けど、今の俺にはそんなものただの、風の音と同じだった。
「Esserさん、僕とお遊びしましょ」
「ほう、君がが遊んでくれるのか」
「ああ、」
鞘から刀を抜き構えた。相手を見て、一手を指す。どちらが最後に体力が尽きるか、それが俺の戦法だ。そして、技を体力を奪うのが俺の能力だ。
「あーあ、あと、1本ですよ。Esserさんもう、終わりですか?」
「貴様、」
「あ 、ごめんなさい、なにかいいました?」
最後は弱点を一刺し。あと、何体だろうか。いち、に、さん、数えるのがめんどくさい
「もう、まとめて殺した方が早い」
早く帰って、ゲームしたい。
Esserを感知。
『Conquista simultanea(一斉討伐)fiamma(炎)』
俺を囲んでいたEsserも学校中に居たEsserは一斉に消えた。シャッターは上がりドアの鍵は開き、討伐完了した。
「あ、終わった眠たいな」
体がふわふわして俺はその場で倒れた。真白く光の中に話し声が聞こえた。
「久しぶりね」
「おばあちゃん。ああ、これは夢なんだ」
「あら、冷静ね」
「それはね」
「でも、
「それは、特に意味は無い」
「それでもよ。そうだわ、学校の一階にはよくEsserが出現するから授業や用事以外では行ってはダメよ」
「ああ、わかったよ」
「あら、そろそろ目が冷めるみたいね。また、会いましょう。結ちゃん」
おばあちゃん、久しぶりに会ったな。それより、おばあちゃんの母校ってここだったんだ。なんて考えながら目を開くと明るい光が差し込んできた。手を天井に上げ握ってみる
「あぁ、生きてんだ」
なにか、ほっとしたような、やりきれないような感覚が俺を襲った。体を起こそうとするとなにかにぶつかった気がした。よく見ると、生徒手帳だった。俺は、入学できたそうだ。
「あらー、起きたの?よかったわ生きてて」
血の付いた白衣を着た女性が話かけてきた。生きてて良かった?そりゃーそうだ。当たり前だ。
「ええ、そうですね」
「ああ、そういえばあなたのルームメイトも隣のベッドで寝てるから、起こしてもいいよ」
「いえ、起きるまで待ちます。それより、担任の先生どこにおられますか?」
「1階の奥に」
「1階ですか?」
「ええ、そうよ」
そう言って笑った顔が、誰かに似ていた。そして、1階に居るとはどゆうことだろうか。
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