第六話 男の子の覚醒

 ドクン、ドクン、ドクン。


 僕は頭がボーッとしながらも、体中から右手に熱いものを集めた。

 何故かは分からないけど、右手に集めたものを使えば何とかなると確信していた。


 キュイーン。


「うん? 何だ何だ? これは魔法陣か」


 目の前にいる緑色のツンツン頭の男が何かを言っているけど、僕の意識は男をどうにかする事に傾いていました。


 ズドーン。


「ぐえー!」

「「「「はっ?」」」」


 僕は意識が朦朧としながらも、手に集まった熱いものを放って目の前の男を吹き飛ばした。

 緑色のツンツン頭の男は、五メートル程吹き飛んでいた。

 そしてどこからかびっくりしている声がしているけど、まだ敵が四人いるんだった。

 どうにかしないと、僕は殺されてしまう。

 僕は、声のする方に再び右手を向けた。


 キュイーン、シューン。

 ズドーン、ズドーン、ズドーン、ズドーン!


「「「ぐわぁー!」」」


 僕が右手に集めた熱いものを乱射すると、緑色の短い髪の男を含む三人が倒れたのが見えた。

 夢中で手に集めたものを乱射したのに、放ったもの全てが男達に当たっていた。


「くっ、何で子どもの魔法がこんなに重いんだよ!」


 でも、まだ茶髪の男が残っている。

 何かの手段で、僕の放ったものを防いだみたいだ。

 あの人は、平然と人を燃やしていたいたからとっても危険だ。

 あの人をどうにかしないと、確実に僕は殺されてしまう。


 キュイーン。

 ズドーン、ズドーン、ズドーン!


「ググググ!」


 ミシミシ。


 僕は、更に連続で体の中から集まったものを放ちます。

 茶髪の男が防いでいるものが、ミシミシと音を立て始めている。

 茶髪の男も、表情に余裕がなくなっている。

 あと少しだ。


 ズドーン、ズドーン、ズドーン!

 パリパリ、パリーン。

 ドーン!


「うがあー! 俺の魔法障壁が、こんなガキなんかに!」


 何とか茶髪の男が僕の放ったものを防いでいたのを壊して、茶髪の男を吹き飛ばした。

 吹き飛ばされた茶髪の男は何かを話していたけど、直ぐに体が動かなくなっていた。


「うぐ、うぐぐ」

「くそ、体が痺れて動かん」


 僕が吹き飛ばした人は、全員が声は辛うじて出せるが体を動かす事が出来ないみたいだ。

 な、何とかなったのかな。

 急いでこの場から逃げないと。


 ぐわん。


 あっ、やばい。

 全身の力が抜けて、手足に力が入らなくなった。

 それに、頭の中がクラクラとして目が回っている。

 僕は尻もちを付くように倒れてしまうと、そのまま力が抜けて仰向けに倒れて一気に意識を失ってしまった。

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