明日一緒に勉強しましょう

荒井祐一

第1話はじまりは唐突に…。

「明日一緒に図書館で勉強しましょう」


 俺、原田利信は今後近い将来に、就職することを見据えて、就労継続支援B型で清掃の部門で、就職に必要な体力をつけるために、日々トレーニングをしている。訓練はフルの時間でいつも出ているが、例外として木曜日だけ午前中のみにして頂いて、午後は通院であったり、もしくは趣味の数学の問題を解く時間に、使うようにしている。

 

 俺が通っている就労継続支援B型は、就労移行支援事業所も併設していて、B型と就労移行支援の両方の所属のメンバーが一緒になって、作業をしている珍しい福祉の施設であるため、準備が整い次第俺は就労移行支援の方へ移って、一般就職を目指すつもりだ。


 清掃という体力勝負の部門なので、就労移行支援に所属の女性のメンバーさんは、ほとんどいない。仮に来たとしても数か月で他部門へと移ってしまい、ずっと続けて清掃で部門トレーニングをして下さる、就労移行支援の所属の女性のメンバーさんは、ほとんどいない。


 そんな中、約一年前から戸澤敏子さんという女性メンバーさんが、就労移行支援の方へと入所して来た。清掃でまずは部門トレーニングを開始した後で、企業への異動を想定した配置換えで、一時期事務部門に移られたのだが、聞くところによるとどうやら服薬による眠気が酷かったらしく、部門トレーニングが出来る状況ではとてもなかったためか、数週間で眠気の影響が出なかった清掃部門へと、特例で復帰が認められて、戻って来て下さった。

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