「古典は面白いから現代まで残ってるんだ! 古典最高!」=「現代人にウケてるヒット作品こそ至高! ベストセラー最高!」

 どうも、熊ノ翁です。

 古来から読まれ続けてる古典VS現代人にウケているベストセラー、どちらが優れているかで創作界隈はキノコたけのこ戦争の如く日々不毛な争いが繰り広げられているわけですが。

「そもそもがこの二つの意見、どっちもどっちだよ」という、両陣営から袋叩きにされそうな意見を今回述べていこうと思います。

 どうぞ皆様、鈍器や刃物をお手持ちになりまして、本日はお楽しみください。


「この作品は優れている」と主張する際、とりあえず手っ取り早い主張方法は何か。

 それは、外部からの権威に頼る事なんですよね。

 例えば映画なら「この映画はアカデミー作品賞取ったんだぞ!」とか「カンヌ映画祭でパルムドール取ったんだぞ」とか。

 

 熊個人的には近年のアカデミー賞作品は、それ自体が地雷のサインであまり信用ならないんですけども。

 パルムドールは、クッソ癖の強い作品が選ばれる傾向にありますが、近年のはまだわからなくもないか……

 とまあ熊の映画の好みは置いといて。

 とにもかくにも「映画界でなんか名誉ある賞を手に入れたんだぞ」という肩書は、相手を黙らせるのに実に役に立ちます。


 同じく「興行収入」もまたマウントを取る方法としては実に効果的です。

「この映画は歴代観客動員数で〇位で、これだけ多くの人を楽しませたんだぞ」という物も、相手に対して明確な数字を突き付ける事が出来、マウントを取るのに実に有効な手段です。


 そもそも、そこまでして何故マウントを取らなければならないのかという素朴な疑問も浮かんできますが、創作界隈に身を置きTwitterを嗜むならばそれは避けては通れない道です。

 そういった理性はその辺のゴミ箱にでもポイ捨てして、考えるのを止めましょう。

 我々はマウントを取らずにはいられないサルから進化したのです。

 ここは一つ、サル山の頂点を目指し続けたご先祖様を思い出して、ただただ無心にマウントを取る事に集中しましょう。

 まあ会社でも学校でも、そういう優秀なサルが良い立場に立って良い思いをするもんです。


 人間、マウントを取らなければ生きていけないわけですが、それはそれとして物事の価値判断としてこの二つの基準、実は同じものなんですよね。

 要は、自分の価値基準がどこにもない。


 映画の賞がどうこうというのも、観客動員数がどうであるとかいうのも、その全てが外部の要因であって自分自身で決めた価値ではないんですよ。

 人任せなんですよね、結局。


 そして、タイトルでもあります「古典が優れている理由は、現代まで残っているからだ」というのも「ベストセラーは多くの現代人に認められているから優れているのだ」というのも、自分ではなく外部の評価に頼っているという点ではまったく同じ評価基準です。

「さる高名な誰々が認めた」とかそういうのも全部そう。

 みんなまとめてサルがマウント取るのと変わらない、ただの権威主義です。


 マウント取るのは、まあ人間ですしそういうのが必要な時もあり、仕方の無い面もあります。

しかし創作者として「何が良いか」の判断を自分自身に問う場合、それは流石にみっともなさすぎます。


 世の中には様々な物語があり、人に受け入れられるもの、評価の高い物低い物もそれぞれ無数にあるわけですが。

 その物語の価値を決めるのに、外部の評価を鵜吞みにするだけで「自分はこう思う」を捨てて判断するのは創作者としてどうなんだろうな、と熊は思うわけです。

 外部からの評価を分析するのは大切でしょう。

 でも、創作にこだわりを持って何かしらの物語を紡ぐのでしたら、根っこには自分自身はどう思うのか、という部分は捨てずに持っておきたいですね。


「古典は面白いから現代まで残ってるんだ! 古典最高!」=「現代人にウケてるヒット作品こそ至高! ベストセラー最高!」……END

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