職業、冒険者。
「僕は冒険者の道を歩もうと思います!」
とか進路希望に書く生徒がいたら、まあ学校の先生普通は止めますよね。
「いやいやお前、冒険者になるって正気か? 普通にどっか適当な大学に行って適当な会社に就職しろよ」
とまあ、現実なら諭される事ウケアイな職業、冒険者。
ですが、ファンタジー世界においてはアンケート調査したら「なりたい職業No1」に輝くのではないかと思えるほどに、猫も杓子も村人Aも、みんながみんな冒険者になりたがっています。
そして、冒険者という職業に付くだけならそこまで難しい物でも無いらしく、生まれた村から離れたい若者達がこぞって新米冒険者になり、ゴブリンに「アッーーー!」されたりオークに「ら、らめぇ!」されたりして若い命と貞操を散らしています。
そんな、現代におけるアイドルか野球選手並みの人気職業である生贄……もとい「冒険者」なのですが、どうも現実味が無い事が少なからず突っ込まれています。
「そんなモンスター退治なんかで生計立てられるわけなくね?」とか「ギルドから報酬貰うとか給料や雇用体系どうなってんだよ」といった疑問の声は尽きる事がありません。
今日はそんな疑惑の職業、冒険者について語っていこうと思います。
皆さま、ご笑覧いただけましたら幸いです。
では早速「冒険者」という職業はファンタジー世界一般において、どのような職務内容なのかについて見ていきましょう。
・モンスター討伐
・洞窟で宝箱を漁る
・依頼人からの依頼品を届けたり、依頼された仕事をこなしたり
・商人たちの護衛
・指名手配犯や賞金首の退治
等々まだまだ挙げればキリがないですが、とりあえずこの辺りの職務内容が現実的に見て成り立つかを見ていきたいと思います。
・モンスター討伐
ファンタジーの定番ですね。
村や街に危害を加えるモンスターを退治するお仕事。
現実でもヒグマを仕留めるマタギさんとかいらっしゃいますし、迷惑な生物の排除という観点で見るなら害虫や害獣駆除の業者さんなんかも現実に存在します。
ビジネスとしては実社会においても普通に成り立っていますね。
・洞窟で宝箱を漁る
これはちょっと難しいかなと思います。
そもそも現実の洞窟は野生生物の住処であることが大半で、宝箱なんて普通置いてありませんので。
もし仮に宝箱が置いてあるとして、それは山賊や盗賊等の何者かが財宝を隠しているってケースが想定されるのですが。
ファンタジー世界の悪党達が洞窟をUFJやりそな銀行の預金口座として活用するような風習があるならともかく、そうでなければ普通はそんな事しません。
大切な物は基本的に目の届く場所に置くでしょうし。
もちろん、現実にも竹やぶに三億円が隠されていたといった事例はありましたが、隠し財産が洞窟に眠ってる可能性もその程度と考えるのが自然かと思います。
なので、何かの特殊な事件やドラマとして洞窟から宝を見つけるのはともかく、それを生業とするのは流石に無理はあるかなーとは。
・依頼人からの依頼品を届けたり、依頼された仕事をこなしたり
これについては「何でも屋」というご用聞きの職業が現実にも存在しますし、そもそも単発バイトや日雇いの仕事って普通にあったりするので、これは仕事として成り立つでしょう。
・商人たちの護衛
これ、現代では例えば海外旅行とかする時のガイドさんなんかが当てはまんのかもなーと思ったり。
んでもって、中世の日本やヨーロッパとかなら金目の物もってフラフラ野道を歩いてたら余裕で身ぐるみはがされるわけで。てか武装した武士ですら農民に狩り殺されてる時代だったわけですしな。
事実護衛を引きつれた行商人集団は「連雀商人」とか呼ばれて実際に存在していました。
よってこれはお仕事としては十分成り立つものと思われます。
ただ、護衛をするにあたり身元怪しい連中を適当にかき集めてという事は無いでしょうからその辺の身元保証をどうするかは物語で出すうえでは考えておいた方が良いかなとは思います。
・指名手配犯や賞金首の退治
これ、ファンタジー作品の冒険者達の定番のお仕事が、実は結構クセモノでして。
現代においてバウンティーハンターという職業は確かにあります。
ありますが、それってこんな感じのお仕事なんですな。
逮捕・勾留された被疑者の保証金を建て替える保釈保証業という業種がありまして、そこの業者が保証金を建て替えた被疑者が逃げ出した場合、それを捕まえるってのが現代における主なバウンティーハンターのお仕事なんですよね。
一応我が国でも警察が捜査特別報奨金制度において容疑者の確保に直結する有力な情報を提供した者に数百万円の報酬を支払ったりってのもあったりはします。
が、それで生計を立ててる方は恐らくいないでしょう。
物語にこの仕事を出す場合、あくまで副業だったり突発仕事の一つとしてならアリなのかなーとは。
と、まあこんな感じで冒険者的な仕事が成り立つかどうか、実社会と照らし合わせて考えてみたわけですが。
一つ一つを見ていくならば、意外と似たようなお仕事が現実に存在しているので職業として「冒険者」というのはそこまで無理のある物でも無いんじゃないかなーと思えますね。
ただ、無理があるかどうかより大切なのは読者さんをいかに納得させるかなわけで、そういう意味でも求人広告とか眺めるのは意外と物語書く上で役に立つのかもしれませんな。
後はアレだ。
プロジェクトX見るとか。
職業、冒険者。……END
最後までお読み頂き有難うございます。
もしよろしければ、こちら↓↓↓にございます「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。
よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます