125 謎の穴

 こんにちは。


 今月初出勤。それでお祭りでもある。先日、協力金として、少額ですが奉納させていただいたお祭りです。

 お神輿が見られるかなぁ~と、ちょっと期待はしていったのですが、結局見られなかったです。何となく忙しく過ごしたのもあるのだけれど、夜に動いているのかなぁ?現地に単身赴任している店長からは、夜に山車が動いている画像が送られてしました。


 山車とお神輿と二つあるようで、それを地区それぞれで所有して、お祭りを継続しているだから、本当に大したものです。

 お祭りって、神さまへ、というよりも、地域への愛着や愛情なんですよねぇ。

 震災とか色々乗り越えても結束しているその地域のすごさが改めて分かります。


 お神輿も山車も見られなかったけれど、帰りに太鼓の音があちらこちらから聞こえてきたのが、心地よかったです。

 駅のホームに上がるまでは聞こえなかったから、寄り道はしなかったのですが、ちょっと覗きに行けばよかったなぁと思っています。


 そう言えば、店長が仮住まいのマンションのエントランスに、謎の穴があるのがずっと不思議だったそうで。

 その穴の使い方がやっとわかったらしいのです。それが、お祭り用の大きな提灯を吊るす為の棒を差し込む穴だったそう。

 見た瞬間「これかーーー!」と俄かに感動をしたらしい。

 

 先日、神社に呼ばれていった日に「呼ばれた気がして神社に寄ってから来たんですよ~」と話していたとき、店長のマンションの近くにある大きな鳥居の話になった。

店長は、近くに神社があるとは知っていても、どこに稲荷神社があるのかも知らなかったそうで、周りに神社が無さそうなのに、大きな道にドードーンとたっている大きな鳥居が不思議だったのだとか。

「なんでこんなところに鳥居だけがあるのかな?と思っていたんやけど、その神社の鳥居なんかな?」というので「多分、神さまは海からいらっしゃったから、海からの参道だと思いますよ」というと、ネットで地図を開いて確認をしていた。

 鳥居をまっすぐ北上すると確かに神社があり、南へ下ると海があった。今は海側はちょっと複雑な道になっているけれど、埋め立てられて陸地が大きくなっているだろうし、昔はもっと海が近かったはずです。

「ほんまや!何でわかんの?」と言われたけれど……。大体神社とはそういうものだから、土地の事を知らなくて分かると言うか……。でも、特にこの土地は、確実に神さまは海からやってきているから、歴史の流れからいっても、断言できる。


 提灯は、神さまが海からいらっしゃるから街に迷わないように、参道に並んで灯されているらしい。

 その意味も分かって、感動したのかもしれない。


 店長は、今回の使い道不明の穴の事も、鳥居の事も、全部意味があるんだなぁ~と、しきりに感心をしていた。

 確かに一年に一度しか使わない、その穴。お祭りが重要視されていなかったら、作らなくても、ぞんざいに扱われて、ゴミが溜まっていても良いようなものなのに、ちゃんと存在し続けている。

 鳥居だってそう。大きな国道に、わざわざ残すのは大切成しているから。

 何にでも意味があり、思いがあるんですね。大切な事だし、ステキな事だと思います。


 昔からの思いが今も根付いている事。本当に良いお祭りだなぁ~と思う。

 明日の五月五日は、子供のころからの思い出がある日。これもお祭りです。祖母との思い出です。こちらも細々とでもうちの家のお祭りを続けよう。思いが忘れ去られない事の奇跡を想います。



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