16 亡くなった仔からのプレゼント
こんにちは。
去年の今日、自分の子供のようにかわいがっていたインコが亡くなりました。今日が一回忌。
何も用意していないけれど、いつも食べていたご飯くらいはお供えしてあげようかなぁと思って、埋葬した植木鉢に、ミックスシードを置きました。
その子はヒマワリの種や麻の実よりも粟やヒエのような特別感のない普通のシードが好きで、そういうものばかり選んで食べていた。
でも一緒に埋葬されている別の子は麻の実が好きだし、一緒に食べてくれたらいいかなぁ~と、あんまり内容は気にしないでごちゃまぜ。しかし本当は、二人ともご飯のシードよりも、ドライイチジクの方が好きだったから、ドライイチジクの方がいいんだろうなぁ~と思いながら。
喜んでくれるかどうかわからないけれど、とりあえずシードを置いて手を合わせた。
すると、目が合ったのだ。
使用している植木鉢は素焼きのもので、結構大きい。
私は当初、その植木鉢を使う事にした一番最初の子を埋葬した時、落ち着いたらクローバーの種を撒こうと思っていた。
しかし、不思議な事にいつの間にか、私がクローバーの種を撒いていないのにクローバーが育っていた。もともと土に種が混ざっていたのか、それとも鳥が運んで来たのか。それは分からないけれど、労せず思っていたようになったというか……亡くなった仔が、お姉ちゃんの為にと思ってクローバーを芽吹かせてくれたのか。
それも不思議な話なのですが、今日、手を合わせた時、一番手前ににょきっと、私に差し出すように四つ葉のクローバーが伸びていたのです。
完全に四つ葉と目が合った。
一瞬で、これはあの子が私に、四つ葉のクローバーをくれたんだと思って。幸せだったよ、と言っているようで、今もそばにいるよ、とも言ってくれているようで。
もちろん、瞬間湯沸かし器のように一瞬で泣いてしまった。
四つ葉の出来る過程って、踏まれたりして傷付いた芽が分裂して四つ葉になるとか聞きますが、植木鉢で育っている葉っぱなので、踏まれたり、上に何かが乗る事もないし。傷ついて四つ葉になったとは考えにくい。
しかも、母親は洗濯物を干すとき、四つ葉はないかなぁ~?と時々探すけれど、見つかったことが無いそうで。つい最近も見ていたけれど、無かったらしい。私も時々気にしていたけれど、今までその植木鉢の株で、四つ葉を見たことが無かった。
「ありがとうね、ごめんね」と言いながら、クローバーの株には申し訳ないけれど、四つ葉を切らせてもらって、即効、ティッシュで包んで本に挟んだ。
去年その子は、ダイヤモンドの指輪をくれて、今は四つ葉のクローバーをくれた。どれだけすごい子なんだろう。
ただ偶然が重なったのでしょう。それだけなんでしょう。でも私は、その子が私に、気持ちを伝えてくれている気がしてならない。だから私にとって、それが真実でいいのです。二人だけが分かっていたら良い事なんです。
今ももしかしたら、私のパジャマの中に入り込んで鎖骨の辺りで寝ているのかもしれない。そう思うと、寂しくない。幸せです。そばにいてくれて。
触ってヨシヨシしてあげたいなぁ。いや、してあげたいんじゃなくて、私が彼女を触りたいのだ。
そのお願いは、叶いそうにはないけれど、きっと遠い未来で叶うんでしょうね。それまでの我慢です。
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