新しい門出

こんなに広かったんだ、私の家。荷物が片づけ終わった部屋達を見回った。がらん、とした部屋は、今から旅立つ不安に似ている。でも、大丈夫。積み上げてきたものを、完全に手放さないから大丈夫。私は扉を開け、光へ向かった。

「いってきます!」

最後の挨拶を、今までお世話になった部屋に残して。

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