某国の騎士と共に
鍛治原アオキ
第1話
「——ねえ、君」
彼との出会いは、思い返せば味気なかった。
「——ほら、こっちだ。ついて来て」
最初はお互い、仕事の一環だとしか思ってなかった。
「——これを食べるんだ。あんなに動いたら、腹が減るだろ」
けれど喋るようになって、だんだんと打ち解けていった。
「——地図の読み方がわからない?だったら教えてあげる。よく見ておいて」
彼と話すたびに胸の奥がじんわりするのを感じた。
「——ああ、何やってるのって……あははっ!真っ黒じゃないか」
彼に笑顔を向けられる度、変な感じがした。
「——もっとこっちに寄って。今日は寒いから」
だけど
「——ねえ、イブ!私を置いて行かないでくださいっ!」
平和な時間はそう長くは続かなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます