俺の頭には?が沢山あった。俺があいつの針をはじけた理由とあいつを見ることが出来た理由。この仕事内容。そこは分かった。でも、「なんで俺が選ばれたんすか、てか無我さんは何が言いたいんですか」師匠は笑いながら言った。「君は人よりも記憶能力が高い、そしてゲームが好きって言ったね。君の手は、体は君が思っているよりも動けるよ。だから選んだ。言ったろう。俺ぇ未来が見えるんだよ。君は言わば先駆けだ」俺は無我さんは、と聞いた。「この業界は人が死ぬってことだ。俺がいる四課は毎年死ぬ奴が出る。だから、君たちも気を付けてほしいと思ってね」俺は「自衛隊とか警察、消防隊なんかより危ないんすか」と笑って外に出た。夜風が涼しく俺はコーラでも買おうと自販機に向かった。声が聞こえ左を向くと俺たちと同じ服を着ている男女が煙草を吹かせながら団欒をしていた。「なんだ全然安全じゃん」と自販機でコーラを買った。「あ゛ぁ」後ろを向くと俺より小柄な男が指をさしている。「僕のコーラがぁ」俺が「コーラあげますよ」と笑うと目を輝かせながら「奢らせてください」とメロンソーダを買ってくれた。「あ゛」とまた指をさす。見ると「7777」当たった~と喜ぶ男は俺にこれもどうぞとメロンソーダを買ってくれた。「そんなに俺メロンソーダ好きそうっすか」と訊くと「嫌いだったら彼女さんに渡して」と笑った。なんだこいつは。

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