第3話 キャラメイク②

「えーっと?」

『習様、まずはキャラメイクをしましょう。そこでご説明もできるので』

「そうなの?わかった」


 突然に大量のアナウンスが耳に飛び込んできたため、軽く混乱を起こしていたが、フィリのおかげで落ち着くことができた。


「じゃあまずは何をするの?」

『まずは名前を決めていただきます』

「名前?」

『はい。ただ、名前といっても現実の名前ではなく、仮の名–––プレイヤーネームを決めていただきます。仮の名の理由はシンプルに個人の特定––––身バレというのを防ぐのが目的です』

「なるほど」


 ということで名前を決めることになった。追加でフェリからすでに使われている名前は使えないと言われたので自分らしさのある特徴的な名前を考える。


「あっ!〈ファグル〉なんてどうかな」

『〈ファグル〉ですね。重複がないか検索します……重複はありませんでしたので習様のプレイヤーネームは〈ファグル〉で登録されます』

「おーやった」

(singleとfirstの適当な組み合わせだけどいけるもんだな)


 無事に名前が登録されたので、次はクラス設定とステータス分配とスキル選択に移るらしい。


 『クラス設定は、クラスリストの中から3つまでを選択し、ファースト、セカンド、サードの順に設定することで、ステータス分配はステータスポイントをSTR、VIT、INT、DEX、AGI、LUKの6項目に分配することで、スキル選択は、スキルリストからスキルポイントが許す限りの範囲内で取得することです』

「ほうほう」


 半透明なボードが空中に現れる。


『これは【ステータスボード】と言って、基本的には自身以外が見ることはできませんが、許可した相手なら見ることができます。ここでステータスやスキル、称号の状態や取得状況を確認できます』

「質問していい?」

『はい。何ですか?』

「〈称号〉って何?」


 フェリによると〈称号〉とは特定の条件を満たすと獲得できるもののことで、称号によっては特殊な効果を持っているものや、1人だけしか取得できない〈ユニーク称号〉というものもあるらしい。

 それを踏まえてステータスを見てみる。


【ステータス】


【クラス】

F:

S:

T:


STR:10

VIT:10

INT:10

DEX:10

AGI:10

LUK:10


ステータスポイント:100(ボーナス+100)

スキルポイント:100(ボーナス+100)


【スキル】



【称号】

[案内妖精に名を与えたもの]

[初めの初めて][先駆者]


『詳細は知りたいものをタップすると確認できますよ』

「なるほど。ありがとう」


 詳細は以下の通りだった。

[案内妖精に名を与えたもの]

:チュートリアルの案内妖精に名前を与えたものに贈られる称号。常時全ステータスが倍になり、スキルレベルが上昇しやすくなる。案内妖精を連れて行ける。スキル〈大器晩成〉を獲得する。ユニーク称号。

[初めの初めて]

 :隠し要素を世界で初めて発見したものに贈られる称号。初級および初期スキルをポイントなしで取得でき、スキル〈チャージ〉〈適当〉を獲得する。ユニーク称号。

[初めの先駆者]

 :何かの先に初めて進んだものに贈られる称号。スキル〈鑑定〔極〕〉〈早熟〉を獲得する。ユニーク称号。


「わあーお……」


 確認してみると獲得した称号全部がユニーク称号だったので若干ネイティブに近い驚きの声が出た。いやだって普通こんなにユニーク称号ってほいほい手に入るものなの?!

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