WEB作家やめようかな、2ちゃんねるよ、さらば

婆雨まう(バウまう)

2ちゃんねるよ、さらば

第1話 アマゾンKDP変遷史

 さて皆様、米国にアマゾン・キンドル(黒船)が誕生しまして早15年が経過しました。


 黒船来航から遅れること5年、2012年、アマゾン・キンドルが満を持して日本に上陸しました。


 皆さんの電子書籍の歴史は、アマゾンKDPという黒船の出現に始まり、様々な派生した電子書籍作家と共に歩み始めたようなものです。


 アマゾン・キンドル創世記の中で、アーリーアダプタと位置づけられる様々なセルパブ作家が中心となり、孤軍奮闘、試行錯誤しながら今日の電子書籍のいしずえを築いたのはもはや言うまでもないことですが、ニューカマーの台頭も目を見張るものがありました。


 私見になりますが、このキンドル電子書籍化へと発展した一連の流れは、30年前に流行した公募ガイドに端を発したものと推測され、そこから自費出版へのマイブームと枝分かれし、そこに更に年月が加わり、インターネットの普及により小説家になろうへと突然変異を遂げ、現在の電子書籍への扉をこじ開けたように思います。


 楽天kobo、カドカワの肝入りであるBOOK☆WALKER、エブリスタ、ピクシブ、メディバン、なろうの角川版でもある、カクヨム。


 アルファポリス、野イチゴ、その他、多くの創作文芸プラットホームへと進化を遂げた分派は、様々な紙本化のプロを輩出し、作家への登竜門への道をこじ開けた。


 この一連の流れは、まさにアマゾンKDPを終点とした、強力なうねりのようなものが本流にあり、これらが血や肉となり養分となって、日々改良を加えながら、今日の電子書籍の形態へと進化を遂げたのかなとも思う。


 出版社と電子書籍作家の印税の按分、印税率70%に端を発した、出版社の既得権益の破壊は、出版社への挑戦状のようなものであり、出版業界の下剋上、出版不況へと様変わりし、出版に携わるすべての人は返り血を浴びながらも新たな道を模索し始めた。


 出版業界への下剋上ともとれるこの一連の流れは、以後、出版不況をもたらし、今まで王道として捉えられていた本屋の売り上げを凌駕し、紙本媒体の根幹へ疑問符を投げかけた。


 最近では、オタクペンギンなる人物がBOOK・PORTというプラットホームを立ち上げ、クラウド・ファンディングして活動資金を集め、出版業界に新たな風を吹き込むべき、始動したようですが、こちらは少し見通しが甘いようで、ネラーからの批判を無数浴び、まだ形になっていない。


 しかし文学フリマなどのフリーマーケットによる紙本媒体、告知は予想に反して今日も大盛況であり、それとは一線を画しますが、NOVEL・JAMへの参戦が作家のステイタスとなる時代となった。


 アマゾンKDPの黎明期では、出版社からプロ作家への引き抜き、セルパブ作家が執筆する作品の紙本化が、作家のステイタスであり、それを契機に電子書籍から紙本化へとメジャーデビューする作家が後を絶たなかった。


 しかしここにきて紙本化への流れは減速し、過去の遺物へと化した。KDPからデビューした、日本SF大賞受賞者、日本SF作家クラブ会長に就任した藤井太洋氏。

 東京創元社で出版の夢を叶えた十市社。


 十市社氏は、貯金が底をつくと言い残し、文筆業を少しの間、休業するようなことをこの前、ツイートしていた。


 話題変わって、星井七億氏(鉄人社)。

 インプレス出版から本を刊行した晴海まどか氏。

 一説によれば、晴海まどか氏は、神戸遥真となって転生したとも噂されますが、事の真相は定かではない。


 参考文献として、【商業デビューしたKDP出身の作家リスト】というのがあります。ここに記されていない作家も大勢いて、電子書籍から紙本化へのデビューが、いかにこの時期、ブームだったかがわかると思う。


 このリストを作成したのは、KDPに多大なる貢献をした忌川タツヤ氏で、この忌川タツヤ氏と、キンドルどうでしょうの、きんどう(ZON氏)がいなければ、KDPジャパンの発展はかなり盛り上がりに欠けたであろうと言われていて、彼らの功績は格段に大きい。


 KDP作家を盛り立てようとした媒体、インフルエンサーには、いくつかの共通点があった。


 藤井太洋、忌川タツヤ、ヘリベマルヲ、佐々木大輔、山田佳江、錚々たる顔ぶれのメンバーを輩出した、ダイレクト文藝マガジンや、日本独立作家同盟なる無数の会員から構成された、鷹野凌編集長率いる群雛。


 北海道生まれ、童話作家の、なかのたいとう氏が編集長を務めた月天。

 そしてSF雑誌オルタニア、波野發作氏が発起人となって立ち上げた、セルパブ!夏の100冊2019、藤崎ほつま編集長が先導する、このセルフパブリッシングがすごい! 2020年版へと分派した。


 これらの一連の流れと同じ源流にあったのが、つんどく速報だったり、KDP名鑑という媒体だった。


 KDP名鑑からは、有名なレビュアー、にいちゃんXなる人物が突如、彗星のごとく現れ、辛口の読者を唸らせることに成功した。


 一説に寄れば、にいちゃんXなる人物が、実は、ヤマダマコト氏ではないかと秘かに噂になっていて、にいちゃんXが唯一フォローしていた作家が、ヤマダマコト氏だったこともあり、あながち、この噂は当てずっぽうではないと思われるが、真相は闇の中だ。


 ネラーの言葉を借りれば、自分で自分のフォローボタンを試し押しした結果、にいちゃんXのフォロー作家に、ヤマダマコトが表示されてしまったというのが、どうも認定された根拠となったようだ。


 それとは打って変わって、★1レビューで有名になった、2太郎という人物もいた。


 後に、パニッシュマン騒動を引き起こした張本人ですが、彼を取り上げた日刊KDPスポーツも、KDPの発展に一躍買いちやくかった印象が強かった。


 パニッシュマン騒動の、2太郎のどこが問題点だったかというと、同業作家に執拗に★1レビューを繰り返したことが、ここでは問題視された。


 この問題はKDP作家にレビューの在り方を問うた点で、大きな意味がありましたが、問題はここで終わらず、後日、毛玉事件へと発展した。


 たしかに、セルパブ作家の本を読書して、これはな、と思う本に出会うことは確かにある。そういう時、★1レビューで酷評してしまうことも時にあるかもしれない。


 でもさすがに、駄作を読まされた作家の本を立て続けに4冊、5冊と続けて購入し、しかもそれを読書し続けることはないでしょうし、質の悪いレビュアーになると、本を買わずして本の表紙だけを見たり、本のあらすじだけ読んでレビューするから、タチが悪いとしか言い様がない。


 2太郎は、複数のセルパブ作家に★1レビューを執拗に繰り返したことがここでは問題視された。そして自らが物書きである以上、同業作家に★1レビューを繰り返す行為が、どういう意味合いを持ち、これが、イヤガラセ行為に当たるかどうかが作家の間で問われることとなった。


 2太郎が物書きではなく単純に1読者だとしたら、問題はここまで大きくならなかったような気がします。


 kindle作家としてのペンネームを持っている以上、酷評レビューをしたいのなら、自らペンネームを名乗り、匿名でなく、正々堂々と自らの言葉で、しかも責任ある立場でブログ等で告知すべきだった。


 セルパブ作家なら自らの言動に責任を負う立場にあるし、作家を目指す作家の卵に、★1レビューを匿名で付ける意味合いが、どういうものか、彼は基本を理解すべきだった。


 そしてそれから暫くして、毛玉というレビュアーが現れ、2太郎を凌駕する破竹の勢いで★1レビューを書き連ねた。


 犬吠埼一介氏の書いた書籍に、★1レビューを15個、書き込んだ毛玉は、3つのハンネ、3つのレビューアカウントをたくみに使い分け、あろうことか私にも★1レビューを執拗に書き込んだ。


 月狂四郎氏に★1レビューを1つ、丸木戸サキ氏に★2レビューを1つ、サークルクラッシャー麻紀 (破滅派)…佐川恭一氏に★1レビューを2つ、ZEROー叛逆のカリスマーに★1レビューを2つ、根木珠氏に★1レビューを2つ、本郷功之介氏に★1レビューを4つ、牛野小雪氏に★1レビューを2つ、その他、大勢の同業作家が毛玉の餌食となり、無残にも毛玉の酷評レビューに屈する形となった。


 ★1レビューを書き込まれた作家は、何も為す術がなく、手の打ちようもなく、毛玉の欲求不満の使い捨てオモチャにされ、負の連鎖から市場で苦戦した。


 このような大事な局面であるにも関わらず、アマゾンは終始無言、無策を貫いた。

 毛玉が誰か特定されても、毛玉に利用制限を加えるでもなく、垢バンすることなく、毛玉を市場で野放しにした。この罪は重い。


 また、セルパブ作家も、みなで一致団結して毛玉に理路整然と立ち向かうべきなのに、自分がレビューされたわけではない、自分には関係ないという理由で、見て見ぬ振りを貫いた。


 同じ人物が、ロクに読みもしない、ダウンロードしてさえいない作家の本を、作家のパフォーマンスが気にくわないという理由で、★1レビューを執拗に書き込む。もうね、呆れて物が言えませんでした。


 アマゾンは、こういうイヤガラセを繰り返す輩を、アマゾンKDPから即刻排除すべきだと思いますが、何も行動を起こさなかった。表現の自由を理由に、なにも対応してくれなかった。


 毛玉を突き動かす原動力となっているのは同業作家への猛烈なる嫉妬で、自分より上位表示される目の上のコブである作家を、いかに売れないように仕向けるかで彼の思考回路は満たされていたように思う。


 自分の本に評価が付かないのはおかしい。

 あいつの本に評価がたくさん付くのはヤラセで、自分の本に評価が付かないのに、どうして他人にはあんなにたくさんレビューが付くんだ?


 これは明らかにおかしい。

 異常事態だ。

 これには何か隠された裏があり、ヤラセ行為が暗黙の了解となっているに違いない。


 オレは神の使い手であり、オレには悪を正す大義名分がある。

 オレは全能の神だから、オレ様の言うことはすべて正しい。

 悪を懲らしめるのに理由などいらぬ。大衆は間違いなく自分を支持してくれるだろう。


 悪行を打ち消す意味でも、オレが率先して奴らの本に★1レビューを書いて、奴らの本を売れなくしてやる。


 嫉妬に狂った、この男の妄想は、エンドレスに続き、排他主義で攻撃的な性格が災いしてイヤガラセ行為に輪をかけた。


 もしも本を読んで駄作だと思うなら、単に無視すればいいだけの話だと思うし、スルーすればいいだけのことではあるけれど、人格障害を伴う毛玉にはそもそもそんな当たり前の常識は通用しなかった。


 気分を変えて、アマゾンKDPの発展に寄与した人達を改めて列挙したいと思います。


 まず第一に、つんどくにコラムを寄稿していた忌川タツヤ氏。

 そして、今はアフィ屋と化してしまった、きんどう(ZON氏)。

 電書チャンネルの管理人、電書ちゃん。

 でんでんコンバーターを操るロスさん。

 群雛の創設者、鷹野凌氏。


 今は小休止なだけかもしれませんが、かなりの数のセルパブ・メンバーが、ここにきて新旧、入れ替わったように思います。


 あれほどKDPに執心していた八幡謙介氏、テスタメントを書いた作者、そして夏居暑さん、コヲノスケ氏、根木珠氏、バーバヤガ、そしてあれほど界隈を賑わせた群雛が休刊になり、それに代わって多くのニューカマー、媒体が入れ替わり、また或る者は創作の現場から消えていった。


 以前、KDPで話題になった、KDPバブルについてですが、アメリカでは電子書籍が一大センセーショナルを起こし、市場がかなりの割合で成熟したそうです。


 アメリカではKDPバブルが誘発し、何十人ものミリオネアが誕生した。

 アマゾン・ジャパンの裏の人は、アマゾンKDPにロールモデルを打ち立てるべく、一部の作家にかなりテコ入れしてきたようにも見えますが、まだまだそんなんじゃ足りないと思います。


 プライム会員が読み放題の、プライム・リーディングにセルパブ作家を選出するのもその一連の流れでしょうし、アンリミテッドによる電子書籍作家の囲い込みも、一定以上の優良な読者を確保する意味では大きな意味合いがあるように思いますが、アマゾン・ジャパンにはまだ春は訪れていない。


 私は、多販路展開を、以前、ブログで推進していましたが、色々なプラットホームを試した結果、やはりKDPセレクトに原点回帰することになりました。


 最後になりますが、セルパブ!夏の100冊2020は、とてもよい企画だと思います。


 編集長にはメリットが何もないかもしれませんが、どうしたら陽の当たらないKDP作家にスポットを当てられるか、お互いが切磋琢磨して、確たる地位を築いていくことこそが何よりの成功への近道なのかなと思います。


 いつかアマゾンKDPジャパンにスポットが当たり、今まで以上に市場が開放されることを私は望みます。


 セルパブ作家の夢が叶い、セルパブ作家、読者の両者がウィン・ウィンの関係を築き、少しでも幸せに近づけることを真に願います。


 KDPの発展に幸あらんことを願う。

 誰かを幸せにしたり、困っている人の知恵袋となるような本を1冊でも多く、心の隙間チャンネルに届けられるよう、電子書籍を出版し続け、これにてコラムの執筆から解放されたく思います。


 お読みいただき誠にありがとうございました。

 あなたの執筆生活が少しでも有意義になることをお祈り申し上げます。

 みなさまに、ささやかですが暖かい、素敵なプレゼントが届けられますように…。

 心が愛で満たされますように…。

 心に勇気が湧くことを願って…ALWAYS

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る