33(第二十三番 第三幕 第四場の四)

 正午過ぎ。

 教会の前。

 ジュリエットと悪魔が到着する。


ジュリエット

「ここでしばらく待っていて。大事な話を神父様としてくるから」


 ジュリエット、教会の中へ入る。

 閉まる扉。

 外で待たされる悪魔。


 × × ×


 教会の中、入り口からその奥。

 そこにロレンス、マーキューシオ、ベンヴォーリオが控える。


ロレンス「よく来た、ジュリエット。さあ、こちらへ」


 ロレンス、奥の部屋の扉を開ける。

 その部屋に入っていくジュリエット、マーキューシオ、ベンヴォーリオ、そしてロレンス。


 × × ×

 

 教会の外。

 階段に座り込む悪魔。


悪魔

「ああ、暇だ。あのお嬢さんは何を神父と話しているのだ? 今更懺悔という訳でもあるまい。あの子の手は、自分では気付いてないかもしれないが、もう十分に赤く染まっているのだからな」


 扉が開き、ジュリエットが出てくる。


ジュリエット

「ごめんなさい、ずいぶんと待たせてしまって」


 悪魔、立ち上がる。


悪魔

「一体中で何をしていたんです?」

ジュリエット

「……苦しまないで済む死に方がないか、相談していたの」

悪魔

「ほう。で、ありましたか?」

ジュリエット

「死ぬことはないと、咎められたわ」

悪魔

「ははは、使えない老人だ。中途半端な仮死薬しか作れないような奴だからな。君にやり直す機会も与えられない、穏やかな終わりも与えられない、無責任な神の言葉の伝道者だ。しかし、このままだと、ジュリエット、君はおそらく……」

ジュリエット

「分かっているわ。パリス伯爵と結婚させられるって言うんでしょう?」

悪魔

「ええ。いいんですか?」

ジュリエット

「さあ……もうとにかく疲れて、何にも考えられないの。今はほっといてちょうだい」


 ジュリエットと悪魔、教会を去る。

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