ハラヘリウス、バルサミコスとプルコギウスをたいらげる
吾妻藤四郎
適宜更新
歴史・地理系の元ネタ(第1話~第10話)
第1話:
・ボスエロス王国←ボスポロス王国。紀元前5世紀~紀元6世紀頃まで、黒海北、アゾフ海周辺に存在した国。
・パンパカパイオン←パンティカパイオン。古代ギリシア人がクリミア半島東部に建設した植民都市。現ケルチ。
・ハラヘリウス←ベリサリウス。紀元6世紀の人。東ローマ帝国の将軍。後に「大スキピオの再来」と評されたほどの軍才の持ち主だったが、皇帝らの嫉妬によって何度も失脚した。
・「シンドイ(実在)とマジヤメタイの王」←「シンドイとマイオタイの王」。いずれもボスポロス王国の東にいた異民族。
・エレクティオン←「勃起!!」(ゴールデ○カムイ風)……ではなく、アテネのアクロポリスにある神殿。より正確にはエレクテイオン。
小池一夫せンせいのアレも、一応?ダブルミーニングではある。
・単眼の巨人族デラベッピ←アリマスポイ。アリマスピ。ヘロドトスの『歴史』に記された、ギリシアの遥か東(シベリア付近?)に住むという単眼の巨人族。
・“歴史の父”エロドトス←“歴史の父”ヘロドトス。
第2話:
・ナマクリム半島←クリミア半島(クリム半島)
・ドケチ海峡←ケルチ海峡
・トキドキ半島←タマン半島(タマニ半島)
第3話:
・アジポントス王国←ポントス王国。紀元前3世紀~前1世紀にかけて、黒海南岸から南東に存在した国。この地域も元々は古代ギリシア人が植民していたが、前281年の独立以前はアケメネス朝ペルシアの属国的な位置づけだった。
・艦隊を歓待する海←黒海は古代ギリシア語で「ポントス・アクセイノス(薄暗い海)」と呼ばれていたが、ギリシア人が進出していったことで「ポントス・エウクセイノス(客人を歓待する海)」へと呼び名が変化したとされる。
・シシオドシア←テオドシア。古代ギリシア人がクリミア半島中部に建設した植民都市。現フェオドシヤ。なお、「テオドシア」は女性名でもある(次項を見ながら)。
・ネトラレイア←ヘラクレイア。ヘラクレア。古代ギリシア人がクリミア半島西部に建設した植民都市。ケルソネソス(現セヴァストポリ)と同一扱いする資料も。なお、同名の都市は他にも複数あった。
第4話:
・フルティンデスゥーの山々←アルピンメドゥー。クリミア半島南部、黒海沿岸に広がるクリミア山脈の内陸側に並ぶ山々。
・神話の英雄ネトラレス←ギリシア神話の英雄ヘラクレス。ゼウスとペルセウスの孫娘アルクメネの子。「十二の功業」をはじめ、壮大な冒険を繰り広げた。
なおゼウスはアルクメネの婚約者に変身して彼女を騙し、一夜を三倍にして楽しんだという……。そういうとこやぞ。
・ネトラレイトス←ヘラクレイトス。紀元前6世紀~5世紀の哲学者。万物流転の概念を提唱したという。
・ネトリウス←ネストリウス。紀元5世紀の、コンスタンティノープル大主教。キリストの神性と人性を区別し、キリストの母マリアは神の母(聖母)ではないとする説を説いた。
そのため追放されることとなったが、ネストリウス派とも呼ばれる東シリア教会はペルシア・インド・中国にまで広がっていった。
・ヤラナイカ山←ヤイラ山。黒海沿岸、ヤルタ(ヤルタ会談で有名)の北にある山。ネトラレイア(≒ヘラクレイア)から見るとアルピンメドゥーやクリミア山脈の向こう側なのだが、思いついてしまったので(笑)
「ヤイラ」はチュルク語(タタール・チュルク語?)で「高山の牧草地」を指し、クリミア山脈中には複数のヤイラがある。
・永栄王(えいえいおう)←日本の戦国時代、後北条氏に仕えた
・シャッキリポン王家←エウリュポン王家。古代ギリシアには、アギス家とエウリュポン家という二つの王家があった。これは、スパルタの始祖が双子だったことに由来する。
・カマアゲシラス王←アゲシラオス王。紀元前4世紀前半のスパルタ王で、アケメネス朝ペルシアやギリシア諸ポリス(都市国家)と戦い続けた。
・商業都市チンボロン←シンボロン。古代ギリシア人がクリミア半島南西部に建設した植民都市であり商業都市。現バラクラヴァ(バルクラヴァ)。
バラクラヴァはセヴァストポリ内の区の一つで、セヴァストポリは古代ギリシア時代のケルソネソスなので、当時ケルソネソスとシンボロンは隣町くらいの関係だった?
※金石斎さんが登場する、四谷軒様の『河越夜戦』はこちらです!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922488818
※アゲシラオス王が登場する、本城 冴月(ほんじょう さつき)様の『ギリシャ物語』はこちらです!
https://kakuyomu.jp/works/16817330648949826464
第5話:
・ジーカップ地峡←ペレコープ地峡。クリミア半島とウクライナ本土を結ぶ狭い陸地。ペレ→ジーコ、コープ→カップと連想したところで悪魔合体の産物が。
なんでこういうときだけ悪魔合体(むしろ合体事故)が起きるのか……(汗)
・ハシルマン←アルクマン。紀元前7世紀後半のギリシアの叙情詩人。 リディアの生まれとも、スパルタ人ともいわれる。
第6話:
・スキデスタイ←スキタイ。古代のコーカソイド系騎馬民族の代表格。紀元前8世紀~前7世紀頃、それまでのキンメリオイに代わってウクライナ南部から南ロシアにかけての草原地帯を支配した。しかし前3世紀には、東から来たサルマタイによって征服された。
また、西はギリシア(黒海北の植民都市群や後のボスポロス王国を中継)、東はモンゴルやシベリア方面までの広範囲にわたって交易を行っていたとされ、金銀細工や青銅器などはギリシア工芸品の模造品から独自のスキタイ様式へと発展していった。
・ストラボン(実在) 古代ローマ時代の、ギリシア系の地理学者・歴史家・哲学者。『地理誌』全17巻を著した。
第9話:
・モットホメロス←ホメロス。ホメーロス。紀元前8世紀のアオイドス(吟遊詩人)とされる。西洋文学最初期の作品、『イーリアス』『オデュッセイア』の作者とされているが、実在の人物だったのかは今日でもはっきりしていない。
・『イーデヤンス』←『イーリアス』。ホメロスによって作られた(と伝えられる)長編叙事詩。ギリシア神話のトロイア戦争を題材とし、イーリオス(後のトロイア)の英雄ヘクトールの葬儀までを描く。
・『ウルッセイア』←『オデュッセイア』。『イーリアス』の続編にあたり、英雄オデュッセウスがトロイア戦争に勝利して凱旋する途中に起きた、10年間にもおよぶ漂泊が語られる。
・オオトロヤ戦争←トロヤ戦争。トロイア戦争。ギリシア神話における、小アジアのトロイアに対してアカイア人(紀元前2000年頃、バルカン半島~ギリシア中部からペロポネソス半島へ南下・定住したとされる集団)たちの遠征軍が行った戦争。
第10話:
・ダメデゲス朝ジョロキア←アケメネス朝ペルシア。古代オリエント(現在の中東地域)に存在した国家。古代オリエントを統一し、ダレイオス1世の時代には広大な世界帝国となった。紀元前330年、マケドニアのアレクサンドロス大王によって滅ぼされた。
・マローン帝国←ローマ帝国。共和制だった古代ローマは、紀元前27年にオクタヴィアヌスが元老院からアウグストゥスの称号を与えられ、初代ローマ皇帝となった。その後地中海周辺からブリテン島に及ぶ広大な領土を獲得したが、紀元395年に東西に分裂。西ローマ帝国は476年に崩壊した。
・バカダ国←マガダ国。古代インドにおける十六大国の一つ。マウリヤ朝のアショカ王の時代には、インド亜大陸のほぼ全域を支配するまでになった。
・スペースシャトル王←アジャータシャトル王。マガダ国歴代の王の一人。父王を殺して王位を得た。活発な征服活動を展開してマガダ国をインド随一の大国へと押し上げたが、彼もまた息子によって殺されたという。
・騎馬民族エビタル←エフタル。紀元5世紀~6世紀にかけて、中央アジアに大国家を作った遊牧民族およびその国家。6世紀半ば、突厥(とっけつ)とササン朝ペルシアによって滅ぼされた。
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